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日本の若者たちよ、慣れ親しんだ環境から世界へ出よう MITメディアラボ 石井裕さんインタビュー

2013/1/9

39歳の時にNTTの研究員から米国のMITに転身し、「タンジブル・ビット」の研究によってコンピューターのインターフェース・デザインに多大な影響を与えた石井裕さん。グローバル化が進むこれからの時代に生き残るための働き方を、日本の若いビジネスパーソンに向けて語ってもらった。

──海外を目指す日本人学生がここ数年減り続け、若者の海外離れが指摘されています。石井さんが教壇に立つ米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボでもそのような傾向はありますか。

そうですね。日本人はほとんど来ません。日本以外のアジアからは非常にたくさん来ますけれども。中国、台湾、韓国、インドの人は強烈なエネルギーとパッションを持って入学してきます。

──アジアの人と比べて日本の若者には何が足りないのでしょう?

足りないのではなく、満ち足りているのだと思います。日本にいればどうにか生活できるし、平和で安全。しかも母国語が使える。しんどい思いをして外国語を学ぶ理由がない。足りすぎて飢餓感を覚える要因がないことが、世界に打って出ようという気持ちを持ちにくくさせているのではないかと思います。

自分のいる環境に不満を持っていて、何とか這い上がろうとしている人たちのハングリー精神はすさまじい。アジアに限らず、どの国もそうです。もちろん、日本にも世界を目指すチャレンジャーはたくさんいます。ただ、相対的に日本人の影が薄い背景の1つには、「豊かすぎる」という要因があると感じます。

■同質性が知の創造を阻む

──米国の若者はハングリーですか。

とても複雑な社会ですから、一概に「米国は」という議論は成り立ちません。米国の貧富の差は日本よりも強烈です。富める者と底辺の差が激しい。ただ、チャンスは非常に多い国で、チャレンジする人も多い。肌の色で差別されるようなことは、少なくとも私が身を置く研究の世界ではない。本当に良い仕事をして、それを世界にアピールすれば、どんどん認めてもらえる。私のモットーは「出すぎた杭は打たれない」ですが、米国には出すぎた杭を応援してくれる風土があります。

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