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日本酒でも偽装 醸造アルコールとは何か

2013/12/10

「富久娘酒造」が不適切表示に伴い自主回収する日本酒の一部=共同

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「和食」の登録が決まり、日本酒への関心も高まっている。しかし相次ぐ食品の偽装は日本酒にも及んできた。目立つのが純米酒に醸造アルコールを混ぜたケースだ。醸造アルコールとはいったい、何なのか。

■原料はサトウキビの搾りかす

「アルコール度数を調整するため、混ぜてしまった」――。11月、神戸市灘区の富久娘酒造は純米酒に醸造アルコールを添加して販売していたことを明らかにした。国税庁の基準では、純米酒の原料はコメと米こうじだけで、醸造アルコールの添加は認めていない。本醸造酒と表記すれば問題なかったが、純米酒として販売していた。同社では現場の判断で4、5年前から行われていたという。

同様のケースは今年に入ってから、次々と発覚した。2月には大阪府阪南市の浪花酒造、10月には徳島県上板町の日新酒類、11月には山梨県山梨市の養老酒造……。

日本酒は本来、コメと水から造られる。醸造アルコールは何のために加えるのか。そもそも醸造アルコールとは何なのか。日本酒造組合中央会に聞いた。

「醸造アルコールは、蒸留を繰り返すことでアルコール度数95%程度まで純度を高めたものです。原料はサトウキビから砂糖を製造する過程で生まれる廃糖蜜が多いですね。いわばサトウキビの搾りかすです。これを発酵させてから何度も蒸留するため、醸造アルコール自体は無味無臭になります」

同会の浜田由紀雄理事によると、醸造アルコールは連続で蒸留する点で酎ハイやサワーなどに使う甲類焼酎と同じ。「焼酎の原料といってもいい」という。最近ではある程度まで蒸留した「粗留アルコール」を輸入して国内でさらに蒸留して純度を高めることが多いようだ。かつては国内でも発酵を行っていたが、副産物として生じる廃液の処理が厳しくなったことで、輸入が大半となっている。

日本酒にはどのタイミングで加えるのか。浜田理事によると、もろみを搾って酒と酒かすに分ける上槽(じょうそう)の直前に投入するという。一般的には上槽の3日前から前日が多い。投入のタイミングを見極めるのも杜氏(とうじ)の腕前だ。

いったんは95%程度まで純度を高めた醸造アルコールだが、投入前に水を加えて薄めておく。度数の高いアルコールは危険物となるので消防法の規制を受け、40%以下での貯蔵が基本。30%程度まで薄めるケースが多いようだ。アルコールを水になじませるため、あらかじめ薄めたものを1年程度寝かせてから加えることもあるという。

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