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CDの販売減に反比例して増える公演数、ライブ市場は有望か?

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

 1998年に6000億円あったCDなどの音楽ソフト生産金額は、2011年には半分以下に。代わりに期待されるライブの公演数は、この3年で3割伸びた。だが、その増え方は本当に健全なのか。そして、音楽業界はライブ公演を軸としながら、いかにして新たなビジネスモデルを築いていくのだろうか。

CDなどのパッケージや音楽配信の売り上げ低迷と対照的に、ライブのマーケットは順調に拡大しているようにみえる。ライブ事業を手がける企業で構成されるコンサートプロモーターズ協会(ACPC)の調査によれば、公演数は2007年の1万4435本に対して、2010年は1万8112本と、3年で約25%も増加(図1)。2011年の本数は現在集計中だが、「前年を上回る見込み」だという。

ただし、ビジネスの面において、数年前と今ではライブの持つ意味は大きく異なる。かつて、ライブは曲を聴いて遊びに来てもらうための場所、つまりCDの"プロモーション"という位置づけだった。レコード会社からはコンサート援助金が出され、アーティストはアルバムの発売を受けて全国を回る。CDを売るのが目的だから、話題を作れればライブ単体の収益は少々赤字でも許された。

パッケージが売れない今は、レコード会社からの援助金どころか、そもそもCDの売り上げがあまり期待できない。現在、公演数が増えているのは、アーティストがライブそのもので収益を得る必要に迫られていることの裏返しだ。

「今はアルバムと関係なく、リリース時期以外にもツアーを行うアーティストが増えた」と言うのは、首都圏を中心にコンサートの企画・運営を手がけるディスクガレージの中西健夫社長。同社が手がけるライブの公演数も2006~2008年ごろは年間1500本強だったのが、2011年は2000本ほどに増えているそうだ。

70組を超えるアーティストのマネジメントを手がけるソニー・ミュージックアーティスツの原田公一会長は、「広告収入を補うためか、テレビ局やラジオ局などのメディア事業部が開催するイベントが最近多いと感じる」と話す。

チケット売り上げは二極化

こうしてライブの数はここ数年で急増。その"バブル"的な状況は、徐々にゆがみを生みつつある。前出の中西氏は「ライブの数が一気に増えたことで、観客が集まるものと集まらないものの、二極化が始まっている」と言う。

例えば、しばらくヒットから遠ざかっていたり、代表曲を演奏せず新作ばかりにこだわるようなアーティストは要注意。また、最近は複数アーティストが出演するフェス形式のイベントが多く、「そこで見れば十分」と判断されてしまうこともあるようだ。

だが、ライブ市場は盤石ではないにもかかわらず、新たなプレーヤーの参入によりパイの奪い合いが激しくなっている。ソニー・ミュージックエンタテインメントは4月、ライブ制作機能を持つ「Zeppライブエンタテインメント」を傘下に設立し、ライブビジネスを本格的に推進すると宣言。ユニバーサル ミュージックやEMIミュージックも自社主催のイベントを立ち上げるなど、レコード各社はライブ事業を強化している。

ネットの動画サービス「ニコニコ動画」を運営するドワンゴのような存在もある。昨年夏、東京・六本木にネット中継を前提としたライブハウス「ニコファーレ」をオープン。2012年4月28日、29日には千葉・幕張メッセでイベント「ニコニコ超会議」を開催し、9万人を動員した。大半がメジャーアーティストではない出演者で、これだけの観客を集まるのを見て、従来型のライブビジネスからの変化に驚いた音楽関係者は少なくない。

周辺ビジネスの拡大に期待

こうしたなか、ライブ周辺のビジネスをなんとか拡大しようという動きも出ている。生中継を映画館で見る「ライブ・ビューイング」や、その日のライブ音源をその場で焼いて販売する「持ち帰りCD」などだ。ただ、どちらもスタートから日が浅く、まだ途上段階。ライブにつきものの「グッズ」も強化は進むが、権利を巡ってマネジメントとレコード会社との間で綱引きが始まっている。 多くの関係者が、音楽界にとって数少ない"希望の星"と見るライブビジネス。だが、市場を取り巻く状況は決して楽観視できない。このマーケットをどう育て、どのようにビジネスをしていくのか。ライブの制作・運営をするイベントプロモーターとして著名な中西健夫ディスクガレージ社長に聞いた。

【業界トップが語る】 中高年層向けライブは活況 最大の課題は新人育成にあり

中西健夫 ディスクガレージ 代表取締役社長

ミスターチルドレン、いきものががりといった人気アーティストのツアーや夏フェス「ROCK IN JAPAN」など、J-POP系中心にライブを多数制作するディスクガレージ。2011年の公演数は1年間で約2000本と前年より増えたが、手放しで喜ぶ様子はない。番組制作やアーティスト育成など、周辺ビジネスへの参入も手がけ始めている。

最近の単独ライブは、チケットが売れる人と売れない人が二極化しています。まず、新人が売れにくいのは確かですし、2000年代にブレイクした中堅アーティストがターニングポイントを迎えてますね。

逆に、90年代以前に礎を築いたアーティストは元気。2011年、震災があって歌の力が見直されましたが、やはりみんなが歌えるエールソングは80年代、90年代のものが多いじゃないですか。弊社では、COMPLEXの再結成や、TM NETWORK、米米CLUB、プリンセス プリンセスという3組のイベントを実施しましたが、集客はすごかったです。

ただ、今はライブに来るお客さんの年齢が上がってきているので、公演はどうしても土日に集中するんです。すると、ライブを開催できる会場数が絶対的に足りない。特に、週末にアリーナクラスの会場を使おうと思ったら大変で、1年くらい前には押さえる必要があります。

若いバンドでも、サカナクションやSEKAI NO OWARIのように動員力の高い実力派はいるんですよ。ただ、以前はそういう人たちが誰もが知っているヒット曲を持つことで、さらに浸透していったんです。でも、今はビッグヒットが生まれない時代。すると、アリーナクラスの会場を超えていくことが難しい。何をすればステップアップできるのか、もっと考えなくてはいけない。

それと、新人をどう育てていくかが大きな課題ですね。最近はレコード会社がライブ制作に進出していますが、僕らは逆にアーティストのマネジメントを始めています。本気で応援したいアーティストを、自分たちの強みを生かしてライブで鍛えようと。今は新人が育ちにくい環境なので、パッケージだけで勝負するとか、ライブのあり方そのものを考えながら極端なことを試してみたいですね。

(ライター つのはず誠)

[日経エンタテインメント!2012年7月号の記事を基に再構成]

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