進学実績躍進「堀川の奇跡」 京都はなぜ教育熱心なのか

大学の存在、地域にありがたみ

「子ども博物館」では、大学院生らが専門分野を生かして子どもたちの疑問に答える(京都市左京区)

京子 大学が地域の教育に果たす役割も見逃せません。京都大学総合博物館では毎週土曜日に「子ども博物館」というイベントを開催しています。一般400円、中学生・小学生200円の入館料だけで参加できます。参加者は小学校低学年くらいの子どもと親が多く、プログラムは日によって変わるそうです。

太郎 私も取材したことがあります。めずらしいクワガタや海外の絵本、縄文・弥生時代の土器など、現役の大学院生らが専門分野を分かりやすく紹介していました。大野照文館長は「研究の面白さを知り、学習の動機づけにしてほしい」と話していましたよ。

部長 府の教育委員会は数学オリンピックのローカル版と言える「数学グランプリ」や「物理グランプリ」を年1回ペースで開催している。京大理学部が問題作成に協力しているので、いわゆる「良問」が多いそうだ。大学の知を活用できるという意味でも、京都の教育環境は恵まれているな。

京子 もちろん、京都の教育にも課題は残っています。例えば全国学力テスト。府内の公立校の12年度の結果を見ると、小学6年は全教科で全国平均を上回りましたが、中学3年は「数学A」を除く4教科で全国平均を下回りました。

太郎 小学生は成績が良い、ってことは、中学では依然として勉強熱心な子が私立に集まっているんでしょうか?

部長 その傾向はあるな。京都市などでは住所をもとに進学できる公立高校を決める「総合選抜制度」が残っていたが、14年度以降に廃止されることになった。受験のために勉強する中学生が増えれば状況が変わるかもしれない。今後も全国の教育関係者の注目を集める地域なのは間違いないな。

(京都支社 荒木勇輝)

次回は11月22日に更新します。