トマトだって薬用ハーブ、実は男の健康に効果的食べるハーブ――植物と健康の関係

ナショナルジオグラフィック日本版

調味料、食用、アロマや薬用で使われる植物をハーブといいます。薬用ハーブは、その多くは古くから伝統的に食べたり薬として飲んだりして用いられてきたものです。「ナショナル ジオグラフィック メディカルハーブ事典」に取り上げられた食用ハーブを通じて、現代の健康とハーブの関係を見ていきましょう。

ジュニパー、パセリ、ザクロ、アフリカプルーン(ピジウム)、ソウパルメット、ネトル、トマト、ウワウルシ――。これらは、いずれも男性の健康と関係が深い主要な「メディカルハーブ(薬用ハーブ)」です。ご覧の通り、パセリ、ザクロ、トマトと身近な名前もあります。ちなみに、トマトやパセリなどのほか、ブドウ、唐辛子、ショウガ、クランベリー、アロエ、シナモン、ココア、ターメリック……これらもれっきとしたメディカルハーブです。薬というより食物としてのイメージが強いでしょう。

トマトで健康と言えば、やはりリコピン

写真:Tereza Dvorak/Shutterstock

今では、世界中で食べられているトマトですが、トマトが広まったのは歴史上、比較的新しいことです。新大陸が発見されメキシコへと渡ったスペイン人が、スペインに持ち込みヨーロッパに広まり、さらにフィリピン、アジアへと広がっていったのです。つまり、15世紀のコロンブスの大陸発見から100年以上かけて広がっていったわけで、イタリア料理と不可分なトマトはそれまで使われていなかったという、意外なことがわかります。

さて、このトマト。米国大統領のジェファーソンやワシントンも庭で育てていたようなのですが、できた実をサラダに使ったとは考えられていません。というのも、トマトは毒をもつ植物が多いナス科に属するので、当初、食用は考えにくかったことがあります(ヨーロッパでは17世紀に既にトマトが使われた料理があったようです)。ワシントンが大統領の時代、トマトは新大陸原産の珍しい植物、つまり観賞用の植物にすぎなかったのです。長年の品種改良の結果、現在のトマトに近い品種が誕生したのは、19世紀半ばまでかかりました。

一説には、トマトの品種は今や8000種を超えたという話もあるほどで、そのほとんどが栽培種、つまり食用です。さらに家庭でも簡単に育てられている今の状況を考えると、観賞用だったとは、にわかに信じがたい話ですね。

ナショジオメルマガ
次のページ
前立腺の病に効果あり…ソウパルメット、ザクロ
ナショジオメルマガ