白湯の効果をさらに高めるには、薄切りのショウガを加えたショウガ白湯がお薦めだ。ショウガのさわやかな香りと、ピリリとした風味をほのかに感じられ、飲みやすい。

ショウガの効果については、東洋医学はもとより西洋医学でも、血流を良くし、エネルギー消費を増やして代謝を上げることが確かめられている。

『日経ヘルス』でも、2010年の3月号と5月号でショウガ白湯を大きく紹介した。読者からの反響は大きく、代謝が上がったことを実感する声や、「体重の減少やウエストのサイズダウンにつながった」と喜ぶ声も届いた。際立って多かったのが、冒頭の井田さんのように、トイレに行く回数が増え、お通じが改善したことを実感した声だった。

ショウガが、排尿やお通じに効果をもたらす理由について、東京都目黒区の桑楡堂(そうゆどう)薬局で漢方相談を行う漢方専門家の邱紅梅(きゅう・こうばい)さんはこう話す。

「ショウガには、利水(りすい)作用という、体内にたまった余分な水分を排せつし、水分バランスを整える効果がある。そのためトイレに行く回数が増え、むくみが解消する」。漢方では、お通じの改善もショウガの効用として広く知られているという。

「漢方では、慢性的な便秘の人には、血の巡りが悪い『お血(けつ)タイプ』と、体を温める陽の力が不足する『陽虚(ようきょ)タイプ』がいると考える。いずれのタイプも、処方する漢方薬にショウガは欠かせない。ショウガによって、血流や代謝が促進され、腸の働きも良くなる結果、便秘が解消する」

まずは朝に1杯

邱さんによれば、お血タイプには、月経痛などの婦人科系のトラブルが多く、陽虚タイプには冷えや低体温が多いが、それらの不調にもショウガは効くという。

「ショウガ白湯は、朝の乾いた体に飲むと、成分が吸収されやすく、効果が高い。不調を一掃して、体質を根本的に改善したいなら、昼か夜にもう1杯追加して、1日2杯以上に。その際も、吸収されやすい空腹時や入浴後などに飲むといい」と邱さん。

ハチミツや黒砂糖、メープルシロップなどで、少し甘みを加えてもおいしく飲める。

「なるべく自然な甘味料で調整を。マーマレードジャムなら、漢方薬で使われる陳皮(ちんぴ)の代用になる。陳皮は、エネルギーの源と考えられる気の巡りをよくして、ストレスを解消する効果がある。そのほか、眼精疲労を和らげたいならクコの実を、貧血予防や美肌作用ならナツメがお薦め」(邱さん)

味も効果もプラスできるショウガ白湯。その楽しさが飽きずに続けられるカギで、注目されている一因だろう。

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ショウガ白湯の作り方

1 ショウガをよく洗って、皮つきのまま2mm程度の薄切りにする
2 ティーポットに1のショウガを5~6枚入れ、沸騰したお湯150~200mlを注ぐ(1人前)

3 そのまま、5~10分蒸らす。味を濃くしたい人は、ショウガをフォークで突くといい
4 カップに注ぎ、体温より冷めないうちに飲む。保温機能付きのポットに入れておけば携帯して持ち歩ける

「赤い食材」に脂質の排出効果
 「漢方では血流を良くすることがすべての不調を改善する基本になる」と話す漢方専門家の邱さん。女性に薦めるのは、マグロやサーモンなどの赤い食材だ。

 ショウガ白湯に甘味として加えるクコやナツメの果実も、赤い。お茶請けも、プルーンやレーズンなど、赤や赤紫のドライフルーツを選びたい。

 「中国ではポピュラーなお菓子のサンザシも赤く、血流を良くする効果はもちろん、消食(しょうしょく)作用という、脂質を排出する効果がある。脂っこいものを食べ過ぎた翌日にいい」(邱さん)

 サンザシはバラ科の果実で酸味が強く、砂糖や寒天と混ぜて棒状に固められたものがドライフルーツとして売られている。中国食材や自然食品を扱う店頭・ネットで購入できる。価格は200グラムで300円程度。

(日経ヘルス編集部)

[日経プラスワン6月5日付]

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