私たちが手軽に入手できる『補腎薬』としては、ヤマイモや朝鮮人参、鹿肉などのほか、エビ・ナマコ・ウナギなど、海のもの全般もよいそうだ。外食が多い人も、意識して「黒い色」のものを注文するといいという。黒ゴマ、黒豆、海苔(のり)などのほか、米やパンは精白、精製していないものを取るようにする。そして、真夏でも冷たい飲み物は精力を奪う。温かい飲み物か、せめて常温で飲むのが望ましい。コーヒーを、体にいい薬草茶に替えるだけでも違う。

「最近の男性は、メタボばかり気にしていますが、体が疲労していたら代謝も下がるので、いくら頑張ってやせようとしても効率が悪い。メタボ対策と滋養強壮は車の両輪ですから、まずは基礎体力をつけなくてはなりません」。

男性は普段の養生の意識が薄く、人間ドックのデータに問題がなければ食に関心が低い場合が多い。

「漢方の考え方では、検査数値に異常が出てからでは遅い。判断基準は自分の感覚です。休んでも疲れが抜けない、意欲が湧かない、などとなったら危険信号。放っておくと突然倒れたり、あるいはうつにもなりかねません。普段の食習慣に上手に漢方を取り入れて、自分の身を守ってください」。

アドバイザー

邱紅梅(きゅう・こうばい)さん
中医師、生理学・心理学修士。1985年北京中医薬大学医学部卒。北京中医薬大学非常勤講師、WHO国際伝統医学養生センター非常勤講師(北京)。桑楡堂薬局顧問として、特に婦人科疾患の漢方薬アドバイスを得意とする。著書に『わかる中医学入門』(燎原書店)。

(ライター 志賀香織)

[日経おとなのOFF2012年7月号の記事を基に再構成]

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