選択科目間の得点調整はどのように行うか

ところで、大学入試における選択科目間の得点調整はどのようにして行っているのか、という質問が毎年のように寄せられる。昔は答えなかったものだが、私立大学の4割が定員割れという昨今は丁寧に答える大学が多い。その答えはおおむね次の3つに分類される。

(ア)「原則として得点調整はしない」

(イ)「偏差値で換算する」

(ウ)「100点は100点、0点は0点、平均点は50点になるように比例配分する」

(イ)はこれまで見てきたような事例だ。(ウ)はこんなケースが考えられる。

世界史の平均点が40点、日本史の平均点が60点のとき、どちらも100点は100点、0点は0点にする。世界史の40点は50点に、日本史の60点も50点にする。さらに、世界史の20点は25点に、世界史の32点は40点に、世界史の52点は60点に、世界史の70点は75点に、日本史の30点は25点に、日本史の48点は40点に、日本史の68点は60点に、日本史の80点は75点にするように比例配分するのである。

得点のバラツキ、社会は小さく数学は大きい

(イ)の方法も問題がないわけではない。一般に、社会系科目(地理や日本史など)のように暗記が中心の科目は得点のバラツキが小さく、標準偏差は小さくなる傾向がある。反対に数学は得点のバラツキが大きく、標準偏差は大きくなる傾向がある。こうした科目間で偏差値による得点調整を行った場合、科目によって有利不利が出てしまうことがある。

ある入学試験の結果を例に考えてみよう。地理と数学について、平均点はどちらも60点だが、標準偏差はそれぞれ10と20だったとする。このとき、それぞれの科目について、100点を取った人と30点だった人の偏差値は次のようになる。

地理で100点だった人の偏差値


数学で100点だった人の偏差値


地理で30点だった人の偏差値


数学で30点だった人の偏差値


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偏差値で得点調整、選択科目によって有利不利も