まずは点数のバラツキ度合い=標準偏差を計算

偏差値を出すためには、まず点数のバラツキ度合いを計算する。この得点分布のバラツキ度合いを示す値が「標準偏差」である。バラツキ度合いが大きいほど、標準偏差も大きくなる。例えば、テストの場合、標準偏差は次のような式で求められる。


図1のように平均点近くに得点が集中していれば、上の式の(1人ひとりの受験生の得点-平均点)は小さな値になるので、標準偏差も小さくなる。一方、図2のようにバラツキが大きければ、(1人ひとりの受験生の得点-平均点)は大きな値になり、標準偏差も大きくなる。

具体的な数字を当てはめて考えよう。10人がテストを受けたとする。全員が50点だったら、平均点は50点で標準偏差は0になる。5人が0点、5人が100点だったら、平均点は同じく50点だが、標準偏差は50となるのである。

偏差値は「全体の中の位置を、難易度とバラツキを考慮して示す値」

では、偏差値は具体的にどんな数字なのか。大ざっぱにいえば、「難しいテスト」でも「簡単なテスト」でもどのくらい優秀だったかわかるように、平均点を「50」とし、バラツキ度合いを加味して点数を付け直したものである。具体的な式は下のようになる。冒頭の例のように、(得点-平均点)だけでは優秀度合いはわからない。バラツキ度合いを示す「標準偏差」で割ることによって、バラツキによる違いを調整し、その得点が全体のどの位置にあるのか、わかるようにしたのである。


ここで注意したいのが、この偏差値を計算する際、得点の分布(グラフ)が数学的にきれいな山型(専門用語で「正規分布」)を想定している点である。このため、実際の得点分布がこのきれいな山型から外れていると、極端な「偏差値」になることもある。例えば100を超えることもある。次のようなケースだ。

試験を受けた100人のうち、99人が0点となり、1人だけが100点をとったとする。このとき、平均点は1となり、標準偏差は


となる。このとき100点を取った人の偏差値は


となり、100を超えてしまうのである。

これとは逆に、偏差値がマイナスになることもあり得る。100人のうち、99人が100点、1人が0点だったとき、0点の人の偏差値は-49となる。

日本では「偏差値教育を是正せよ」という言葉があるように、偏差値は悪いイメージで語られることが多い。しかしこれまで見てきたように、偏差値とは参考になるデータではあるが、単に統計データの一つの整理法にすぎないのである。

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選択科目間の得点調整はどのように行うか