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実は知らない「偏差値」 100以上やマイナスも 桜美林大学教授 芳沢光雄

2012/9/11

1月に行われた大学入試センター試験(東京都文京区の東京大学)

 夏休みが終わり、受験生にとっては志望校を絞り込む時期が近づいてきた。受験といえば偏差値が思い浮かぶ。この偏差値、なじみは深いがよく分からない、という人は多いのではないだろうか。例えば偏差値は「0から100まで」ととらえている人も少なくないだろう。実は違う。100を超えることもあれば、マイナスになることもある。今回は偏差値の意味と、大学入試における選択科目間の得点調整の問題について考えてみたい。

■偏差値が必要な理由

 なぜ、偏差値があるのか。100点満点の試験問題のケースで説明する。とても難しいテストで70点を取った人と、とても簡単なテストで70点を取った人。どちらが優秀なのか、「70点」という点数だけではわからない。その尺度に使うのが、偏差値なのである。

 そのためには、まず、その試験が「難しいテスト」だったのか、「簡単なテスト」だったのかを知る必要がある。これは平均点を出せば、すぐわかる。難しいテストなら平均点は低くなるし、簡単なテストなら平均点は高くなる。

 しかし、平均点を出しただけでは、どのくらい優秀なのか、その程度はわからない。例えば、平均点が60点だったテストがあったとしよう。最高得点が70点でそれが1人しかいなかったとする。図1のように、平均点の60点付近に得点が集中してしまった場合、70点の人は「とても優秀」ということになる。



 一方、平均点が同じく60点のテストでも、図2のように点数がバラツキ、70点以上を取った人がたくさんいれば、70点でも「まあまあ優秀」という程度だ。

 点数のバラツキ度合いによって、同じ平均点でも意味合いが異なってくるのである。「偏差値」とは点数のバラツキを加味した上で、全体の中でその人がどのくらいに位置するかを数学的に示したものといえる。

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