キャリアは「いかだ下り」「山登り」で考える

「これからは、自分しかできない仕事を持たなくては」「専門性がなければ生き残れない」などとよく言われます。では、どうすれば、「自分しかできない仕事」を持つスペシャリスト型人材になることができるのでしょうか。リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫さんに聞きました。

前回は、これからの時代に必要な人材は、何でもそつなくこなすゼネラリスト型ではなく、エッジの立った専門性を持つスペシャリスト型だということを言いました。

技能の蓄積が必要ない定型業務については、正社員の仕事ではなくなっていきます(実際、今、そうなりつつあります)。

また、大企業ほど定型的な業務をインドや中国など、人件費を抑制できる環境で行う傾向にあります。この傾向は今後ますます強まっていくことでしょう。そうなると、必要とされる人材であり続けるためには、“誰でもできる仕事”ではなく、“あなたしかできない仕事”をする必要が一層高まっていくのです。

“スペシャリスト型人材”の話をすると、「私には関係ない」と思う女性も多いようです。実はこれ、すべての人に関係する話なのです。

「貿易事務ができます」「営業事務ができます」というだけでは、まだ足りません。その仕事で具体的に何を扱っているのか、誰を相手にしているのか、そういったことを突き詰めていくことであなたならではの専門性が磨かれていくのです。

「専門性を磨いてください」という話をすると、「何から始めたらいいか分からない」という言葉をよく聞きます。

1万時間以上投じることで専門的スキルを体得できる

人は1万時間以上を投じることで、専門的スキルを体得できるといいます。1万時間といえば、約10年です。すぐに身につけられるものではありません。ですから、今20代や30歳前後の人が、「自分には専門性が身に付いてないのではないか…」と感じたとしても、不安に思う必要はありません。

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社会人になって最初の3年間の職業体験の大切さ