大阪星光学院 観察と実験の勘所を試す理科入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(9)

[実験1]ではある処理をしていない種子はどれも発芽していなかったということから、ある処理とは、どんな種子でも発芽するために必要な条件であることが 推測できる。自然界において、酢が降ってくることなどありえないので、ウはない。-5°Cや40°Cといった気温は異常気象並みであるからエもオもあり得ない。正解は、ア=乾燥させるのか、イ=水分を与えることなのか、どちらかだ。だが、植物の種を植えたら水をやるというのは常識である。 よって、答えはイとなる。「素直に答えてくれればいい」と範国教諭。

問2 次の図のうち、[実験1]で発芽したトウモロコシとインゲンマメのようすを正しく表しているのはどれですか。それぞれについてア~オから1つずつ選び、記号で答えなさい。

この問題を解くには若干予備知識が必要になる。といってもそれほど難しいものではない。単子葉植物と双子葉植物の違いがわかっていればいい。トウモロコシは単子葉植物である。単子葉植物は1枚の葉から発芽し、細い根が放射線状に伸びるという特徴がある。該当するのはエである。オは、葉の形状は単子葉植物のそれに該当するが、根の形が、1本の太い根から細い根が生える双子葉植物の形であるのであり得ない。インゲンマメは双子葉植物である。根の形からイかウかオに絞り込まれる 。マメ科の植物の場合、子葉に養分を蓄えることから、豆自体が子葉として地上から顔を出しているウが正解であるとわかる。

「マメ科の植物が、子葉に養分を蓄えていることは、中学受験生なら知っているはずなのですが、そのような知識が仮になかったとしても、スーパーで豆もやしなどを見たことがある子どもなら、直感的に正解がわかるはずです。普段から身近なものに一歩近づいてよく見ていれば、できる問題です」と範国教諭。

問3 [実験1]の結果をふまえて、種子が発芽するときの条件を考えました。これについて次の文章中の空らん(1)~(3)に適当な言葉を入れなさい。

「実験に用いた3種類の植物の種子すべてに必要な発芽の条件は、適当な(1)と空気と(2)である。また、植物の種類によっては、(3)が必要なものとそうでないものがあることがわかった。」

5°Cでは一つも発芽しなかったことから、適当な温度が必要であることがわかる。(1)は温度が正解である。問1で問われたある処理も発芽の条件であるので、(2)は水が正解である。問1で間違えた受験生はここでも間違えてしまったかもしれない。あるいはここで間違いに気付いたかもしれない。さらに表によれば、レタスのみは光がないと発芽していないことから、植物の種類によって必要であったり必要でなかったりするものは、光であると考えられる。よって(3)は光が正解である。

種子の発芽に必要な主要条件は小学校の理科の教科書にもある。温度、水分、酸素である。その知識があれば難なく解けてしまう問題ではあるが、それを実験結果から導き出すというプロセスを再現する問題といえる。

問4 [実験2]の結果から考えられることは何ですか。最も適当なものを次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。
ア. でんぷんをたくわえている種子は、でんぷんを消費すると発芽しなかった。
イ. でんぷんをたくわえていない種子は、でんぷんがないので発芽しなかった。
ウ. でんぷんをたくわえている種子は、でんぷんを消費すると発芽した。
エ. でんぷんをたくわえていない種子は、でんぷんを使わずに発芽した。

[実験2]の結果からわかることは、発芽した種子の中にはでんぷんが存在しておらず、発芽しなかった種子の中にはでんぷんが存在しているということだ。このことから導き出される科学的推測は、ウの「でんぷんをたくわえている種子は、でんぷんを消費すると発芽した」であると考えられる。ちなみに、アのでんぷんを消費すると発芽しないというのは結果と正反対であるので間違い。発芽しなかった種子の中にでんぷんは存在していたのだから、イも間違い。同じ種子を使いながら、発芽した種子にだけもともとでんぶんがたくわえられていなかったということはあり得ないので、エも間違いだと断定できる。答えはウである。

問4と問5も実験結果から導かれる正しい考察を選択する問題だ。

問5 [実験1][実験2]の結果から考えて、正しいと思われるものはどれですか。次のア~オからすべて選び、記号で答えなさい。
ア. トウモロコシとインゲンマメは温度が5°Cのとき、ほかの条件に関係なく種子にたくわえた養分を使えない。
イ. レタスは光が当たっているとき、ほかの条件に関係なく種子にたくわえた養分を使える。
ウ. 光があたらなくても発芽できる植物は、寒くても成長することができる。
エ. 植物の種子は、乾燥や低温など生育に適さない時期に、たくわえた養分を使っている。
オ. 植物の種子は、乾燥や低温など生育に適さない時期に、発芽しないように調整されている。