大阪星光学院 観察と実験の勘所を試す理科入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(9)

問2 太郎君の観察用紙にはない、植物を見分けるための重要な、外から見てわかる特ちょうを1つ5字以内で答えなさい。

最初私は「根の形」と答えた。範国教諭は、ちょっぴり苦笑いをして言った。「『外から見て』という表現をどうとるかなんですけどね……」。

この問題については後日議論があったらしい。「外から見て」という表現は、植物が生息しているままの状態で、地上から観察したときにという意図を含んでいたのだが、そこに解釈の幅があったことが問題としてはまずかったのではないかという指摘の声が上がったという。

結果的には広い解釈を適用し、「根の形」であっても正解としたという。模範解答は「花の色」とある。「花の形」でも「茎の伸び方」でもいい。「花弁の枚数」でも正解だ。どういうところに注目すれば、植物の違いがわかるのかを問うことがこの問題の趣旨である。

中学受験業界においては一般に、男の子は植物分野が苦手といわれる。草花の名前を覚えるのが特に苦手な傾向がある。しかしこの問題であれば、草花の名称や「単子葉植物」「双子葉植物」のような分類名などは覚えていなくても解答できるようになっている。

「うちの理科の問題は、知識ではなく、実験・観察・考察の力を試す問題です。この問題は観察と考察の問題でしたね。手書きのスケッチを見ながら試験会場で観察をしてもらうようなものです」

実験結果から客観的にわかることだけを聞く

「実験をテーマにした問題を見てみましょう」と言って見せてくれたのが、2011年度の入試問題だ。

第1問 次の文章を読んで、以下の各問いに答えなさい。
小学生のまさはる君は、理科の授業で植物のふえ方を勉強しました。植物の中には、花がさいたあとに種子ができてふえるものや、根やくきなどでふえるものなど、いろいろなふえ方があることを知りました。花がさくのに根やくきでふえたりするものもあり、何のために種子があるのか不思議に思ったまさはる君は、次の[実験1][実験2]をおこない、種子のはたらきや性質について調べてみることにしました。
[実験1]
トウモロコシ、インゲンマメ、レタスについて、それぞれの種子を用意した。次に、12時間のある処理をした種子とまったくしなかった種子をそれぞれ土にまき、気温を5°Cに保って光を当て続けた場合と、まったく光を当てなかった場合で一週間後のようすをくらべてみた。また、気温25°Cでも同じことをおこなった。一週間後に発芽しているかどうかを調べてみると、ある処理をしなかったものはいずれも発芽していなかった。ある処理をしたものの中には、条件によって発芽したものとしなかったものがみられたので、その結果を右(ここでは下)の表にまとめた。発芽しているものがあればその名前を、なければ「なし」と記録した。
[実験2]
ヨウ素液を用いて、種子の養分が使われたかどうかを調べた。[実験1]で使った種子を半分に割り、断面にヨウ素液をかけてようすを見た。その結果、発芽したすべての種子は色の変化がほとんどなかったが、発芽しなかったすべての種子はこい青むらさき色に変化した。

問1 [実験1]でおこなったある処理とは何ですか。最も適当なものを次のア~オから1つ選び、記号で答えなさい。
ア. 風通しの良いところで乾かす
イ. 水にひたす
ウ. 酢にひたす
エ. -5°Cに冷やす
オ. 40°Cにあたためる