大阪星光学院 観察と実験の勘所を試す理科入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(9)

今回紹介するのは、大阪・天王寺区にある大阪星光学院中学校・高等学校(以下、大阪星光)。

大阪星光学院中学校・高等学校(大阪・天王寺区)

イタリアのカトリック修道会「サレジオ会」により設立された。校訓は「世の光であれ」。サレジオ会の合言葉は「アッシステンツァ」。イタリア語で「ともにいること」という意味であり、大阪星光では中学・高校6年間で合計60泊以上の合宿を行うことが教育の特徴となっている。そのための校外施設として、長野県の山間に黒姫星光山荘、和歌山県の臨海に南部学舎がある。

1950年設立と比較的新しい学校ではあるが、関西地区の男子進学校としては屈指の存在感。2014年には京大に58人、東大に21人、国公立大医学部に44人合格者を出している。

同校の入試は1月18日。4教科受験か国算理の3教科受験かを選択できる。

植物の名称などは一切問わない植物の問題

今回は範国平治教諭に理科の入試問題を解説してもらった。「大阪星光の理科の入試問題は、いわゆる物理・化学・生物・地学の4分野から均等に大問が1題ずつ出題されます。いずれも教科書をしっかり読んでおけば対応できるレベルです。日常的に身近にあるものを題材にして出題するようにしています」。

範国教諭は主に生物を教えている。自身、大阪星光の13期生であり、長年市民ボランティアとして大阪市環境保健局主催の「みどりと生き物のマップづくり会議」にも参加していた経歴がある。

まず2013年度の大問1。太郎君が身の回りの植物の名前を調べるために観察用紙をつくったという設定。

第1問 太郎君は身のまわりの植物の名前を調べるために観察用紙をつくりました。観察用紙には、
(1)植物のスケッチ
(2)葉のなりたち(1枚の葉が小さな葉にわかれているかどうか)
(3)葉のふちのようす
(4)葉の葉脈のようす
(5)葉のつき方(葉が茎についている様子)
の5点について観察の結果を記録しました。
問1 右(ここでは下)の表は太郎君が調べた5種類の植物の(1)~(5)についてまとめたものです。表の<1>~<5>に入る植物の上の(1)のA~Eから選び、記号で答えなさい。また、それらの植物の特ちょうを示した空らんを記号でうめなさい。

登場している植物はいずれも身近に観察できる植物であるということだ。しかし植物の名称などの予備知識は一切問われていない。「先入観なく、物事を素直に見る力を試しています」と範国教諭。

実際に考えてみよう。

<1>の「葉脈のようす」が斜線になっていることから、葉脈が描かれていないCが該当するのではないかと推測できる。<1>の葉の付き方は、茎の1箇所から複数の葉が出ているということで、Cとたしかに一致する。Cである可能性が高い。

<2>の葉は、大きな葉1枚から成り立ち、周囲はギザギザしていて、葉の付き方は左右交互になっている。スケッチの中でそれに該当するのは、AもしくはEのように見える。

<3>は1枚の葉から成り立ち、葉の周囲はなめらかで、葉脈の走る方向は一定である。該当するのはBしかない。

<4>は葉のなりたちしかヒントがないので、後回しにする。

<5>は1枚の葉から成り立ち、葉の周囲はギザギザで、葉の付き方は左右対称である。Dが該当しているように見える。

以上から、<1>=C、<3>=B、<5>=Dはほぼ間違いなさそうである。<2>と<4>がAかEに該当するはずだ。<4>の特徴は、1枚の葉が小さな葉にわかれているということ。その観点でAのスケッチとEのスケッチを見比べると、Eのほうがその特徴を備えているように見える。よって、<2>=A、<4>=Eと考えられる。

そのうえで、表の空欄を埋めていく。

<1>=Cの葉のなりたちはア、ふちのようすはアである。

<2>=Aの葉脈のようすはアである。

……といった具合に埋めていけばいい。全解答は右。