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終わりのない警戒区域ペットレスキュー 原発20キロ圏内で活動する女だけのペットレスキュー隊

2012/10/8

車を止め、トランクに積んだキャットフードをおろし、両手いっぱいに抱える。敷地内に入り、家々の所定の場所に置く。縁側の下、シャッターの中、塀と塀の間。次々とスピーディーに置かれていくキャットフードはどれも袋のまま。「ここら辺の猫は自分で開けて食べる」のだという。家屋には人の気配はない。窓さえ割られている家もある。

避難区域は年間積算線量の予測などによっていくつかの区域に分かれる。その中でも「警戒区域」は物理的な立ち入り制限がされている規制が厳しいエリアだ(2012年7月31日現在の概念図)

福島第一原発20キロ圏内――。その中でも最も厳しく立ち入りが規制されている「警戒区域」と呼ばれる場所で、震災後から継続してペットレスキューを行っている女性がいる。それが中山ありこさんだ。震災以降、ほぼすべての週末を福島でのペットレスキューに費やしている。

今なお物理的な立ち入り制限の措置があり、自由な立ち入りを許可されていない「警戒区域」。「立ち入りが出来なければ著しく公益を損なうことが見込まれる者」と「警戒区域内に居住する者であって、当面の生活上の理由により一時立ち入りを希望する者(ただし一世帯1名)」にしか一時立ち入りが許可されていない場所だ。

現在、警戒区域を含む避難指示区域からの避難者数は11万人以上(復興庁発表資料より)。「ほかの県と違い、家が無傷なのに戻れない。そういう人がたくさんいる。許可がないと自宅に戻れないって、まともな状況じゃないですよ」。そのような人たちから依頼を受けて、中山さんは、警戒区域に絞って活動を続けている。

■4月に入った福島は「動物しかいない町」だった

平日はパソコン教室の先生をしながら、ボランティアで猫の保護活動を行っている中山さん。2011年3月11日、その日もいつもと同じようにパソコン教室で授業をしていた。福井で感じた震度4の大きな揺れが、東北では大津波となって人々を飲み込んでいることを知るまでに時間はかからなかった。テレビから流れる恐ろしい光景を見て、毎日ただただテレビの前で涙を流していた。

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