働き続ける自分を信じて、将来の不安を軽減しよう深田晶恵の目指せ! マネー美人

「転職後の目標年収」に関しては、最初に65歳以降の夫婦の年金額をおおまかに試算してみました。ずっと会社員として働き続けてきたので女性としては年金額がいい。

「年金をもらう頃には、住宅ローン返済が済んでいるのだから、まぁまぁ生活できる年金額じゃない? 余裕をみて年間50万円くらいの取り崩し額×25年間(65~90歳)で1250万円、特別支出と合わせると、65歳時点で2000万円あれば大きな心配は要らない。今いくら貯まっている?」と聞いてみたら、すでに半分は貯まっているとのこと。

60歳までの14年間で1000万円貯めるには、1年あたり70万円。「毎年70万~80万円貯蓄できる年収はいくらなのか、計算してみたら?」と私が言うと、「OK、年間支出見て、考えてみる」と、相談終了。電話でわずか10分くらいの会話でした。

60歳までに貯まる額を試算

彼女には子どもがいないので、子どものいる夫婦のように今後、教育費負担で貯蓄が減ることはないという要因もありますが、それにしても「働き続けてきて、その間ちゃんと貯めてきた」実績があるから、収入ダウンという大事件が起こったとしても、十分対処できるのです。

知り合って27年ですが、最初から貯め体質だったわけじゃないし、今だって飲み代は少なくないはず(笑)。収入の一部を積み立てることを続けてきただけ。特別な人ではありません。「貯めるほど不安」な人は、今の積立額だと60歳までにいくら貯まるのか積算してみて。厚生年金がある会社員なら、4000万円、5000万円もの老後資金を用意しなくてもいいのですよ。

老後不安解消には、たくさん貯めることより、次の3つを実践しましょう。「住宅ローン返済を60歳までに終わらせる(=多額の借り入れをしない)」、「働き続けて少しでも年金額を増やす」、「収入の範囲内で暮らし、一定額を貯蓄する習慣を持つ」。

読者のみなさんなら、できるはず。もっと自分を信じましょうね。

深田晶恵(ふかた・あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)。株式会社生活設計塾クルー取締役。外資系電機メーカー勤務を経て、1996年にFPに転身。現在は、特定の金融商品を販売しない独立系FP会社生活設計塾クルーのメンバーとしてコンサルティング業務を行うほか、雑誌等の原稿執筆、講演などを手がける。最新刊『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』(ダイヤモンド社)。その他『30代で知っておきたい「お金」の習慣~99%が知らずにソンしている85のこと』(ダイヤモンド社)、『災害時 絶対に知っておくべき「お金」と「保険」の知識』(共著)、『住宅ローンはこうして借りなさい・改訂3版(ダイヤモンド社)』、『女子必読!幸せになるお金のバイブル』(日本経済新聞出版社)など著書多数。ブログ『お金のおけいこ』http://blog.akie-fukata.com/ ツイッターアカウント[akiefukata]

[日経WOMAN2012年9月号の記事を基に再構成]

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