ベンチャー経営者に必要な資質は鈍感力(加藤百合子氏の経営者ブログ)

2013/7/15

今回のブログは海の日のアップです。お休みモードの読者の方が多いと思いますので、まじめな話ではなく、ちょっと愚痴でもこぼしてみようかと。

加藤百合子(かとう・ゆりこ)1974年千葉県生まれ。東大農学部で農業システムの研究に携わり、英国クランフィールド大学で修士号取得。その後、米航空宇宙局(NASA)のプロジェクトに参画。2000年に帰国しキヤノン入社。2001年、結婚を機に退社し静岡に移住。産業用機械の研究開発に7年ほど従事したものの農業の社会性の高さに気付き、2009年エムスクエア・ラボを設立。2012年青果流通を変える「ベジプロバイダー事業」で日本政策投資銀行第1回女性新ビジネスプランコンペティション大賞受賞。

ベンチャービジネスの経営者に求められる資質は何でしょう。先見の明、強いリーダーシップ、ぶれない決断力、朝令暮改を恐れない柔軟性……。いろいろな言葉が先達から語られ、私もそうだな、そうありたいなと思っているのですが、実際のことろ一番大切なのは「打たれ強さ」ではないでしょうか。いわゆる鈍感力というヤツです。

起業して4年。あれをやってみよう、これもチャレンジしたいと走り回っておりますが、事業プランは当初想定した通りにならないのが常。案件が10あったら、そのうち1つうまくいけばいいほうだというのが実感です。失敗の度にへこんでいたら、持ちません。「次いってみよう」と気持ちを前向きに切り替えることが、ベンチャー経営ではとても大事です。

最近も残念な結果になった案件があります。あるレジャー施設の魅力を高める方策として、新鮮な果物などを利用したバーの開業を提案したところ、相手企業の経営トップの方がこのアイデアを気に入ってくれまして「場を提供するから、あなたの好きなようにやってほしい」と言われました。

当社としては大きな仕事になるため、興奮気味で詳細を詰めたのですが、いざ現場の所長さんと話してみると、微妙に雰囲気が違う。なんでも所長さんは所長さんで独自の施設改革プランを進めていらっしゃったそうで、「トップのお墨付きがあるのなら僕のプランを引っ込めるしかない」と困った顔。現場が前向きになれないプランがうまくいくはずもなく、結局うやむやになってしまいました。

嘆いてもしょうがない、と自分に言い聞かせてみたものの、痛かったのは、この案件のために新規で2人雇ってしまったんですよね。うーん、どうしよう。でも災い転じて福となす。この人材が実に優秀なんですよ。今は営業でバリバリ働いてもらっています。