保育園、「認可なら安心」は間違いだった待機児童の実態(3)

保育関係者の間でも、やはりA園は悪名高かったようだ。電話口で親身になってくれる他園の先生に聞かれて話すと「ああ~、よく来るのよ、あそこから」という言葉も何度か耳にした。しかし、そんな情報はネットにもどこにも見つからなかった。「うちの園はいっぱいだけど、1人くらい入れられるかもしれないから、区に掛け合ってあげる」と言ってくれた園もあったが、結局NG。役所にもさらに何度も電話をしたが、「書類を提出して順番を待ってください」の一点張り。

それでもA園にこれ以上通わせたくなかったため、「ほかが見つかりました」とウソをついて2週間で退園。以前お世話になったことのある一時保育所が親身になって次の2週間だけ預かってくれた。

しかし「1カ月間に10日まで」「9時から16時まで」という区の一時保育規定は、仕事復帰していた私には厳しい。16時に迎えに行くために15時に職場を出るのはどだい無理で、一時保育利用が長期化したら勤務し続けられないことは目に見えていた。

転園先が見つかり、会社の廊下で泣き崩れそうになった

4月も20日を過ぎたころ。1年前に保育園巡りで訪れていた認可外のC園から「5月から慶太くんをお預かりできます」という1本の電話が入った。会社の廊下で電話を受け、やっと差し伸べられた手に泣き崩れそうだった。改めてウエイティングリストに載せてもらっていた結果がようやく出た。

家から徒歩30分、自転車でも10分かかる小さな認可外保育園。20畳ほどのマンションの1室に20人弱の子どもがいて、見学のときは「こんな狭い場所はいやだな」と思った園だった。でも、その後何度か空きを確認しに電話したときもとても親身に受けてくれて、息子の名前も覚えてくれていた先生。「慶太くんに会えるのが楽しみです!」という言葉に再び涙した。

慶太は5月からその保育園に入園した。1歳児と歩いては通えない距離なので、夜が遅い私に代わって、夫が文字通り雨の日も雪の日も送り迎えを自転車で頑張ってくれた。

実はそのC園は、保育園問題に悩んだお母さんが始めた園。規模は小さくても、子ども20人弱に対していつも5~7人のベテラン先生がいて、毎日公園にお散歩へ行き、手作りの給食やおやつを食べ、造形やダンスを楽しむ。温かくて本当に安心して息子を預けることができた。連絡ノートにも、慶太がその日にできたことを毎日びっしり書いてくれて、毎日読むのが楽しみだった。