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ライフコラム
子どもの学び

2013/6/6

子どもの学び

このような状況で育った男の子たちの面倒をまとめて見ているところがある。男子校である。「最近の男の子は転んだ経験が少ない」と多くの男子中学校の教師が声をそろえる。「転んだ経験」とは失敗して痛い思いをして自らの力で立ち上がること。今はトラブルを避けようと親が先回りしすぎてしまうため、子どもが十分に転ぶ経験をしていないというのだ。これが特に男の子にとっては致命的なデメリットになりかねないと多くの教師たちが指摘する。

男の子は失敗しなければ成長できない

一般的な傾向として、コミュニケーション能力にたけている女の子は、大人がダメだというものにはダメな理由があることを理解する。しかし男の子にはそれができない。実際に痛い目に遭ってみないとダメな理由が理解できない。だから男の子はダメだと言われたことでもひとまずやってみる。失敗してから初めて学ぶ。男は失敗しなければ成長できない生き物なのである。

だから男子校の教師たちは「男子校では男の子をたくさん転ばせる」と言うのだ。そのままやればきっと失敗するであろうということも、よほど取り返しのつかないことでない限りひとまずやらせてみる。「よほど取り返しのつかないこと」の線引きは特に思春期においては男女で異なる。男子だけの集団であるからこそ、「失敗マネジメント」がしやすい利点が男子校にはある。そして男の子が自らの力で立ち上がるのを励ましながら見守る。

教師たちだって手助けしてやりたい気持ちになる。しかしそこで手を貸してはいけない。しかればいいのかというとそうでもない。自ら学ぶべきときにはしかるのは甘やかすことになると、これらの学校の先生たちは口をそろえる。忍耐が必要なのだ。ある男子校の教師はその状況を「手を離して抱きしめる」と表現する。またある男子校の校長は「待つことこそが教育」と説く。それだけ時間もかかる。

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