関東に「猛暑の七夕」 梅雨末期、記録的な大雨と暑さに警戒気象予報士 伊藤みゆき

この仕組みで、梅雨末期の大雨による災害が発生する年があります。

大雨の一方で、猛暑に注意が必要な地域もあります。その筆頭が関東平野です。

「日本海に前線、南海上に高気圧」という場合、関東平野は北側や西側の山地によって雨雲の侵入がブロックされ、山を吹き下りる風でフェーン現象(風下側の関東平野で気温が上がる)が起こることがあるのです。

2011年夏の全国の平均気温と熱中症搬送者数。赤い折れ線グラフが気温、青い棒グラフが搬送者数。この年の九州から東北の梅雨明けは7月8~9日。ちょうど1回目の棒グラフのピークと重なっている(消防庁調べ)

雲が薄くなって晴れ間がのぞくと、さらに気温が高くなります。

週末にかけて太平洋高気圧の勢力が強まるとみられ、関東地方では厳しい暑さが予想されています。

気圧配置だけなら関東地方は「夏の高気圧のエリア=梅雨明け」となってもおかしくない形です。そのほかの地域に先んじて関東の梅雨が明けるのは変則型ですが、異常なことではありません。

2001年は、関東(甲信)の梅雨明けが7月1日。九州から東北では最も早くなりました。東海や北陸が2日、東北南部が7日、九州から近畿は19日~20日とかなり変則型の年でした(東北北部の梅雨明けは確定せず)。

梅雨入り・明けの発表は気象庁が行いますが、関東地方では「週末には真夏到来!」という心構えで暑さへの備えをしておいた方が良さそうです。

というのも、梅雨明け直後の暑さで熱中症にかかる人が大幅に増えるという統計があるのです。

7月3日11時発表の週間予報では、土日の東京の予想最高気温は34度でした。熊谷では37度まで上がる予想になっていて、詳しい予報をみると40度になる可能性も示してあります。

3日午後には、気象庁から「高温に関する情報」が発表されました。水曜日の段階で、土日にかなり暑くなる…という情報が出るのは珍しいことです。それだけ熱中症の危険が高まっているのです。本州の対象地域は、東北(6~7日)と関東甲信(6~8日)です。

3日11時発表の熊谷の週間予報。7月7日の最高気温は35度から40度の幅がある。予報は最新の情報を確認してください(気象庁HPより)

気象情報で発表する気温は「芝生の上・直射日光を受けず・高さ1.5m・風がある」という条件で測ったものです。「アスファルトの上・炎天下・地面付近・風がない」ところではもっと高くなります。

夜間も気温が下がらないので、いつでもどこでも熱中症になる恐れがあります。

7日は七夕。東京では6日~8日に「入谷朝顔市」、9日、10日は浅草寺で「ほおずき市」が立ち、夏の訪れを感じさせてくれる頃ですが、今年は猛烈な暑さを迎えることになりそうです。

その他の地域でも、大雨だけでなく「晴れたら暑い!」と用心してくださいね。

伊藤みゆき
気象予報士。証券会社社員を経て、気象予報士に。日本テレビ衛星「NNN24」の初代気象キャスターに合格。現在はNHKラジオ第一「ラジオあさいちばん」気象キャスター。 光文社の雑誌『STORY』などで連載を持つなど、幅広く活動中。

[nikkei WOMAN Online 2013年7月3日付記事を基に再構成]