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「脱・ビール」時代の意外な勝ち組 吉本佳生 数字で読み解く! 働き女子の経済のたしなみ

2014/7/10

日経ウーマン

 暑い夏、仕事帰りに飲むお酒。家でも外でも、「とりあえずビールでしょ」と今も言っていいのでしょうか。外食時のお酒の選択を細かくチェックできるデータはありませんが、家で飲むお酒をどう選んでいるかについては、総務省の『家計調査』で調べることができます。

 表1で、00年~13年にかけて、日本の2人以上世帯の酒類に対する「1人当たり支出金額」がどう変わったかを整理しました。まず、酒類への支出金額は、この期間で16%減少しました。しかし、1年間のうちに少しでも酒類を購入した世帯の比率は、00年が62.5%だったのに、13年には65.3%に上がっています。人口構成などの変化を調整していませんから、データの解釈が難しいのですが、少なくとも「家で誰かがお酒を飲むという消費行動は減っていない」といえるでしょう。

表1 00年と13年の家計における酒類別の支出金額、平均価格(いずれも単位は円)、購入世帯の比率を表示。ビールを購入する世帯の比率は減る一方、平均価格はアップ。発泡酒の購入世帯比率は増える一方で、平均価格は下がるなど消費の二極化が進んでいる

 お酒の種類別のデータを比べると、はっきりとした差がみられます。激変したのは、ビールの消費です。よく知られていることですが、昔からあるビールの代わりに、発泡酒や第3のビールなど、ビールより安いビール風アルコール飲料を飲むという動きが長く続いています。

 13年のビールへの支出金額は、00年の半分以下になっています。1年間のうちにビールを購入した世帯の比率も、40.2%から28.6%へと急落しています。代わりに、発泡酒を買う世帯が増え、さらに第3のビールなどにもシフトしました。

 この動きに対応して、家計調査では00年から「発泡酒」という項目を分け、10年からは「発泡酒・ビール風アルコール飲料」という項目にしました。これらはもともと「他の酒」に含まれていたものです。ビールが売れなくなる一方で、発泡酒と他の酒の支出金額が大幅に増えました。

 平均価格をみると、購入されたビールの平均価格は少しずつ上がってきました。プレミアムビールなど、ちょっと贅沢なビールがいろいろとヒットしたことが理由のひとつでしょう。他方で、発泡酒(10年からはビール風アルコール飲料を含む)の平均価格はずるずると下がってきました。安いお酒にシフトした人たちは、そのなかでもさらに安さを求めると分かります。

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