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渋谷教育学園幕張 「自調自考」の姿勢を試す社会科 入試問題でわかる 名門中学が求める子ども(11)

2014/7/8

今回紹介するのは、千葉県にある渋谷教育学園幕張中学・高等学校(以下、渋幕)。1983年開校と非常に新しい学校であるにもかかわらず、2014年の東大合格者数ではなみいる伝統校と肩を並べ、トップ10に入った。新設の学校がこれほどの短期間でこれだけの存在感を発揮するにいたる例はあまりなく、「渋幕の奇跡」などともいわれている。

渋谷教育学園幕張中学・高等学校

渋幕が掲げる教育目標は「自調自考」「倫理感」「国際人」の3つ。その中でも「自調自考」が学習面でのキーワード。「中高での6年間をかけて自調自考ができるようになってほしいという目標でありますが、そういう目標を掲げる学校であることは受験生にも知ってほしいと思っています。ですから入試問題でも自調自考の姿勢を試すようにしています」と社会科の福元政実教諭。

「自調自考」とは具体的にどういうことなのか。「まず、自分自身で問題意識を持つことから始まります。『これはなんだ?』『なんでだろう?』という感覚です。次に、その問題に対してどのような手順・手法で取り組めば解決ができそうかを考えます。そして、そのために必要な情報を自分で調べたり、情報をもとに考察したりします」(福元教諭)。

■単語を丸暗記するのではダメというメッセージ

自調自考の姿勢を試す入試問題とはどんなものなのか。2014年1次試験の社会、大問2の問5を例に見てみよう。渋幕の一般入試は、1月22日に1次、2月2日に2次と、2回ある。

まず「ある産業の発展状況」という表が提示され、そのあとに問いが続く。

問5 この産業は何と考えられますか。この産業にかかわる原料と製品がわかるように20字以内で答えなさい。なお、以下に示す情報に注意すること。
[情報]
・[表3]を見ると、この産業では、1870年代にはまだ工場が本格的には設立されず、1880年代から設立されていることがうかがえる。
・工場の数自体は決して多くないにもかかわらず、[表3]に示す時期に生産を飛躍的に伸ばし、動力に蒸気力を用いた大量生産に成功している。
・日本には同じような形状の製品を作る産業はほかにも存在したが、その原料は異なる。
・製品は国内で消費されるばかりでなく、輸出も徐々に伸ばしていることがうかがえる。輸出先では、アメリカ合衆国よりもアジアの方が多かった。

「この産業は何と考えられますか」という問いかけがあるが、産業名を単語で答える形式の問題ではない。「この産業にかかわる原料と製品がわかるように」文章で答えなければならない。これが渋幕の1つの出題パターンだと福元教諭は教えてくれた。産業名を知っているだけではなく、その産業は何を原料にして何をつくる産業なのかを端的に説明できなければいけないのだ。

「社会科の中学受験勉強では単語だけを丸暗記しておしまいということになりがちです。でもそれではダメだというメッセージを込めています」

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