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相続トラブル、「普通のマイホーム」が一番危ない 遺言相続コンサルタント 本田桂子氏

2012/8/10

親が倒れたり、急死したとき、あわてないように準備しておきたいのが「エンディングノート」や「任意後見契約書」などだ。遺言相続コンサルタントの本田桂子さんに、家族が苦労しないための「万が一の備え」について聞いた。

■もめやすいのは預貯金数百万円の世帯

――なぜ本田さんは「遺言相続コンサルタント」を始めたのですか。

ほんだ・けいこ 1969年、奈良市生まれ。遺言相続コンサルタント、行政書士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。NPO法人遺言相続サポートセンター会員。遺言書の作成サポートの仕事を通して、エンディングノートの普及啓発活動に関わるようになり、講演・執筆などを行っている。著書に『エンディングノートのすすめ』(講談社現代新書)、『書くだけで安心 あなたと家族のためのエンディングノート』(日本実業出版社)、『明日のための「マイ・エンディングノート」』(技術評論社)、『人生を変えるライフプランノート 35歳からの生きかた設計』(永岡書店)などがある。

本田 行政書士として遺産相続の仕事を引き受けることがよくあったのですが、いつも「手間と時間がかかり、大変な仕事」と感じていました。遺言書がないばかりに、相続手続きが大変になり、もめることもある。今後、超高齢社会が進んで、亡くなる人が増えてきますので、遺言書を書く習慣を普及・啓発しなければならないと考え、7年ぐらい前に「遺言相続コンサルタント」を始めました。

――相続というと、遺産がたくさんある人の話、と思われがちですが、誰にでも関係のある話なのですか。

本田 マイホームがあって、預貯金が数百万円という普通の世帯が一番もめるのです。不動産は、分けにくいですからね。

――「遺言書まで書かなくても」と思う人も多いようです。口約束ではだめなのですか。

本田 たとえば、父親が長男に「俺が死んだらこの家はお前のものだ」と口約束をすることはよくあるのですが、それを証明する手だてが無いと、兄弟間でトラブルになることが多いです。やはり何か死後こうしてほしいという希望があるのなら、それを書き残しておくことが大切です。

■親に遺言書頼みにくい場合は「エンディングノート」

――本田さんはその手段として、まず「エンディングノート」を勧められていますね。

本田 将来自分に万が一のことがあったときに備えて、家族やまわりの人に伝えたいことをあらかじめ記入しておくノートを「エンディングノート」といいます。遺言書と比べて抵抗感が少なく、親に勧めやすいというメリットがあります。「親に遺言書を書いてもらいたいのだけれど、どう切り出せばいいか分からない」という相談をよく受けますが、エンディングノートだと「最近、こういうのが流行っているから、書いておいたらどう」と勧めやすいんです。

エンディングノートを親や配偶者にプレゼントする場合は、贈りっぱなしにせず、一緒に書くことをお勧めします。最近、お子さんが親にエンディングノートをプレゼントするケースが増えているようですが、プレゼントされても「書き方が分からない」という人が多いからです。

ノートを開いてみると、書くべき項目がたくさんあって、挫折してしまうんですね。それで、まったく活用されないケースも多い。

たとえば、お父さん、お母さんに、子どものころのお話をうかがいながら、自分史のところから書き始めるようにすれば、コミュニケーションを図る上でもいいと思います。

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