立ち会いのプロ「ドゥーラ」を雇う 米国の出産現場米国NPの診察日記 緒方さやか

2013/7/16
米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、米国社会とそこで働く女性の現状をさまざまな切り口で紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは、米国における出産の立ち会いについて。米国では、出産立ち会いのプロを雇う女性が増えているのだとか。

妊娠後もナースプラクティショナー(NP)として仕事をしてきたものの、大きいサイズの白衣を着ても前のボタンが留められないようになってきた。久しぶりに会った患者さんたちは、私のお腹を見て驚き、熱い祝福の言葉とキスを浴びせかけてくれる。いよいよ38週。出産予定日まで2週間を切った。

「ボーイフレンド」が出産の立ち会いをする場合も

我が家では夫が、出産の際の相方、いわゆる「バースパートナー」になる予定だ。もっとも、「アメリカでは立ち会い出産が普通なのか?」と聞かれると、「分からない」と答えるしかない。アメリカは果てしなく広く、裏付けとなるデータを探してみても見つからなかったからだ(そもそも「立ち会い出産」という言葉が存在しない)。

しかし、私の知り合いの限られたコミュニティーでの話をすれば、 最近アメリカで子供を産んだ知人は全員、夫かボーイフレンド[] が立ち会っていた。薬による無痛分娩、産院での自然分娩に関係なく、パートナーが立ち会い、妊婦のサポートに努めるのが、私の周りでは普通のようだ。

そんな、出産に立ち会う予定の男性パートナーたちのために、医療機関だけでなく、さまざまな場所で出産準備クラス(Birthing class)が開かれている。私は、病院でなく家の近所で開かれた講座に夫とともに参加した。3時間のクラスが計4回で、最初の3回は出産の仕組み、注意点、陣痛を和らげるマッサージのつぼ、分娩中に使用されるかもしれない薬の利点や副作用について学び、最後の回は母乳育児など、赤ちゃんが産まれた後のことも教わった。非常に内容の濃いクラスであった。

[] アメリカで生まれる子供の40.8%は、未婚の母のもとに生まれている(2010年データ)。未婚の母に対する社会の偏見が少ないからか、結婚していなくても父親に扶養義務や親権が生まれるからか、「できちゃった」結婚をするケースは日本ほど多くない。