スマホの通話料金は高い。NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルとも30秒で20円。1分10円の公衆電話と比べると4倍もする。NTTドコモが2014年春から提供を始めた月額固定の通話料金プランを使っても、毎月49分以上利用しないと得にならない。
そこで、出番となるのが格安通話サービスだ。固定電話や他社のケータイにもかけられて、通話料金は通常の半額以下。なかには、固定電話と無料で通話できるものまである。月額基本料金も、ほとんどのサービスで無料だ。
格安回線は2種類
なぜ、そんなに安いのか。秘密は回線の仕組みに隠されている。格安通話で使われる回線には2種類ある。
一つは、割安な国内または国際電話回線を利用する「回線交換型」サービスだ。「楽天でんわ」などが、これに相当する。
もう一つは、インターネット回線を使うIP(インターネット・プロトコル)電話。「050 plus」のように050で始まる電話番号を新たに取得するタイプや、「LINE電話」に代表される、電話番号を変えずに使えるタイプがある。「LINE」「Skype」といった、同じアプリ同士でのみ通話できるタイプも、IP電話に含まれる。
主に誰と通話するのか、何を重視するのかで選択肢は絞られる。例えば、仕事で使うなら聞き取りやすさ重視の回線交換型。音声品質より安さを優先するならIP電話といった具合だ。
IP電話はネット経由でデータ送信
格安通話サービスは、ケータイキャリアでの通話と比べると、安かろう悪かろうで声が聞き取りづらいのではないか――。こんな疑問を解消するため、話題の15サービスを俎上(そじょう)に載せ、気になる通話品質を徹底的に比較した。
15あるサービスのうち、一般にはIP電話より回線交換型のほうが音が良いといわれる。通常の電話と同じ電話網を使い、音の劣化が少ないためだ。
一方IP電話は、音声を細切れのデータに分割して、インターネット網経由で通話する。そのため、ノイズが入ったり、音声がプツプツ途切れたりすることがある。