スマホ激安通話、音質徹底比較 ベストは「Gコール」

2014/7/17

デジモノNAVI

日経トレンディ

スマートフォン(スマホ)の通話が、3大ケータイキャリアの半額以下で利用できる「格安通話サービス」が増えている。2013年末から「楽天でんわ」「LINE電話」といった有力株が相次ぎ、多くのユーザーを獲得している。では、どれがベストなのか。15のサービスを通話品質の観点から徹底比較した。

スマホの通話料金は高い。NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルとも30秒で20円。1分10円の公衆電話と比べると4倍もする。NTTドコモが2014年春から提供を始めた月額固定の通話料金プランを使っても、毎月49分以上利用しないと得にならない。

そこで、出番となるのが格安通話サービスだ。固定電話や他社のケータイにもかけられて、通話料金は通常の半額以下。なかには、固定電話と無料で通話できるものまである。月額基本料金も、ほとんどのサービスで無料だ。

格安回線は2種類

なぜ、そんなに安いのか。秘密は回線の仕組みに隠されている。格安通話で使われる回線には2種類ある。

一つは、割安な国内または国際電話回線を利用する「回線交換型」サービスだ。「楽天でんわ」などが、これに相当する。

もう一つは、インターネット回線を使うIP(インターネット・プロトコル)電話。「050 plus」のように050で始まる電話番号を新たに取得するタイプや、「LINE電話」に代表される、電話番号を変えずに使えるタイプがある。「LINE」「Skype」といった、同じアプリ同士でのみ通話できるタイプも、IP電話に含まれる。

主に誰と通話するのか、何を重視するのかで選択肢は絞られる。例えば、仕事で使うなら聞き取りやすさ重視の回線交換型。音声品質より安さを優先するならIP電話といった具合だ。

IP電話はネット経由でデータ送信

格安通話サービスは、ケータイキャリアでの通話と比べると、安かろう悪かろうで声が聞き取りづらいのではないか――。こんな疑問を解消するため、話題の15サービスを俎上(そじょう)に載せ、気になる通話品質を徹底的に比較した。

15あるサービスのうち、一般にはIP電話より回線交換型のほうが音が良いといわれる。通常の電話と同じ電話網を使い、音の劣化が少ないためだ。

一方IP電話は、音声を細切れのデータに分割して、インターネット網経由で通話する。そのため、ノイズが入ったり、音声がプツプツ途切れたりすることがある。

IP電話は、音声を細切れのパケットデータにしてインターネット網経由で相手に送信する仕組み。データの分割や再構築、バッファリングなどでデータが相手に届くまでに時間がかかる。そのため回線交換型の通話と比べて音声の遅延や途切れ、音質の劣化が発生することが多い。また、音声データの送信レートがIP電話提供会社によって異なる。音質重視なら高め、遅延や途切れ防止を重視するなら低めに設定されていることが多い。ただし、送信レートが高くても常に音質が良いわけではなく、回線状況によっては音声が途切れて聞き取りにくくなる
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