ヒラメ刺し身で謎の食中毒 原因は「クドア」

これらの規制強化により、クドア食中毒の発生件数は、2013年以降減少した(図1)。「養殖ヒラメに関しては、厚労省と農林水産省が共同して有効な対策を実施しているので、発生件数は減っていくものと思う」と野崎氏も語る。

図1 クドア食中毒報告件数の推移(八木田氏によるデータを一部改変)

2014年1~4月には7件のクドア食中毒が発生し、92人が発症したことが報告されている。いずれもヒラメ刺身を食べた後の発症だった(表1)。2013年の食中毒件数は21件、患者数244人だったことを考えると、食中毒件数、患者数ともに下げ止まっている可能性がある。

表1 2014年のクドア食中毒報告状況(厚労省の食中毒統計より)

クドアは、-15~-20℃で4時間以上保管、もしくは中心温度が75℃となるように5分以上加熱することで死滅(失活)する。ただし、ヒラメの刺身は冷凍すると味が落ち商品価値がなくなるため、冷凍による食中毒予防は困難だ。

「生産地や輸入時の対策が強化され、クドア対策はうまくいっていると思う。ただし、天然のヒラメや別の魚でも、クドア汚染は見つかっている。そのため、直ちに患者が完全になくなることはないだろう」と野崎氏は今後を予想する。

これまでクドア食中毒は、夏季に多く報告されている。今後、患者数が増加する可能性があるので、刺身生食後、比較的短時間で生じた下痢・嘔吐では、クドア食中毒も疑ってみる必要があるだろう。

(日経メディカル 小板橋律子)

[日経メディカル Online 2014年6月3日掲載記事を基に再構成]

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