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14年ヒット当確俳優 東出昌大、土屋太鳳インタビュー

日経エンタテインメント!

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エンターテインメント業界内では既に常識かもしれないが、2014年にさらなる飛躍のポイントが見えており、より幅広い層へ知名度を高めていくに違いない「ヒット当確銘柄」を日経エンタテインメント!が厳選した。その中から今回、注目の男優と女優をピックアップ。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で人気の 東出昌大と、映画やドラマで存在感を見せ始めた土屋太鳳(たお)の二人だ。

東出昌大――『ごちそうさん』で不器用な夫役を好演

――NHK朝ドラ『ごちそうさん』で、ヒロイン・め以子の夫役を演じている東出昌大。皮肉屋で頑固だが、大切な局面では優しい性格をのぞかせる悠太郎役で、一気に知名度を上げた。

 189cmの長身に、黒髪と太い眉。モデル出身でありながら、真面目で実直な雰囲気にあふれ、近年あまり見ないタイプとしてインパクトがある。2012年に映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューしたときは、第36回日本アカデミー賞などの新人俳優賞を受賞。とらえどころがない宏樹役が話題になってからわずか1年で、国民的作品のメインキャストに抜てきされた。

このような大きな役が決まるとは、全然予想していませんでした。お芝居のことは、まだ分からないですね。台本をよく読んで、自分なりに解釈するようにしています。悠太郎は真面目さゆえ、気持ちがこんがらがってしまうところがありますが、そこがかわいい部分でもあり、一生懸命に生きている感じが出ればいいなと思っています。

一番苦労しているのは方言です。イントネーションが難しくて、演技どころではなくなったりするので。方言指導の先生にもらったCDを聞くのはもちろん、桂米朝師匠や五代目の桂文枝師匠、笑福亭松鶴師匠の落語を聞いたりもしています。悠太郎と同じ時代に生きた人たちですし、上方落語はほんわかしたところもあるので、そういう大阪の当時の空気も感じたいなと。

――難しいからこそのやりがいを感じているが、「まだ、お芝居が面白いとは思えない」と本音をもらす。いつも課題を感じながら現場に立っているなか、心に響くのが、共演者たちの言葉だ。

この間、『ごちそうさん』のトークショーの前、キムラ緑子さんとお話していたときに、「お芝居どう」って聞かれて。緑子さんは空き時間にセリフをパラパラッと言ったり、直前の方言チェックでもいつも楽しそうになさってる。「いつごろから楽しくなりましたか?」と聞いたら、「私は今でも楽しくないよ」っておっしゃって(笑)。こんなにすてきな演技をする大先輩でもそうなんだなと。

「俺は下手なんだ」

あと、東京編を撮影しているときに、室井役の山中崇さんにも同じことを聞いたんです。そしたら、「ずっと苦しいけど、『俺は下手なんだ』って思おうとしてからは、ちょっと楽になったかな」って。プレッシャーでカメラの前に立つのが恐かったこともあるんですけど、山中さんの言葉を聞いて、多くを求めないで、できることを少しずつやっていこうと思えるようになりました。迷いがあるぐらいなら"無"になったほうがいい。「お前は下手なんだから、いくしかないっ!」って(笑)。

――2014年には映画『クローズEXPLODE』で初主演を果たす。これまで東出は、ドラマ『結婚しない』(2012年、フジ系)での大学生役、朝ドラ『あまちゃん』(2013年、NHK総合)での若き日の大向大吉役、映画『すべては君に逢えたから』での遠距離恋愛をしている青年役など、どちらかというと等身大に近い、真面目なタイプを演じてきた。不良マンガが原作のこの作品では、俳優としての新境地を切り開いているが、マネジャーが「かなり追いつめられていたと思う」と言うほど、厳しい現場だったようだ

ひとつのシーンを40テイク近く繰り返したときがあったんですけど、もう何が正解なのかだんだん分からなくなってくるんですよ。そしたら、豊田利晃監督が「もう今日はやめるぞ」って。100人体制の人が3時間以上も、僕のひとつの芝居のため粘ってくれているのに、それでも撮れなくて翌日に持ち越すなんて、悔しくてたまらなくて。挫折感も半端じゃなかったんですけど、明日も撮影だから立ち直らないといけない。監督に「全部忘れてこい」って言われて、アルコール度数の高いお酒を1本半ぐらい飲んだけど、全然酔えないし(笑)。翌朝から同じ撮影をして、2回目でOKが出ましたが、自分の演技が変わったのかどうか、今でも分からないです。

――作品によって演出も段取りも違い、必死に食らいついていっている段階。経験が単純に積み上がっていくものではないと実感しつつ、目の前の仕事を誠実にやっていきたいと語る

僕は大ざっぱに「頑張ります」って言いがちだったんですけど、『ごちそうさん』でご一緒している近藤正臣さんが「頑張るのは誰でも頑張るねん。細かなところを緻密に振りかえりながら、ちゃんと記憶してやること」と指摘してくださって、本当にそうだなと。俳優の仕事は、需要がないとできる仕事じゃない。だからコツコツなんて言ってないで、早く実力をつけたいけれど、こればかりは難しいですね。とにかく謙虚に、甘んじることなくやっていくだけです。

土屋太鳳――謙虚さと大物感が同居 堅実に出演数を増やすホープ

――2008年に映画『トウキョウソナタ』でデビュー。2011年には、ドラマ『鈴木先生』に出演し、不思議な魅力で主人公の鈴木先生を虜にする小川蘇美(そみ)役で注目された土屋太鳳。決して派手ではないが、記憶に残るたたずまいが、本格女優としての可能性を感じさせる。2013年は『鈴木先生』のほか、主演映画『アルカナ』『赤々煉恋(せきせきれんれん)』が公開され、『真夜中のパン屋さん』(NHK BSプレミアム・総合)『リミット』(テレ東系)と、ドラマ2作品にも出演し、飛躍の年となった。

『赤々煉恋』は、命を投げ出してしまった女の子のその後を描くお話。撮影に入るときに、小中和哉監督が以前に撮った『四月怪談』(1988年)を見せてくださったんです。両作品に共通する命への思いが伝わってきて、「とにかく監督についていこう」と思いました。

連続殺人をテーマにした『アルカナ』は、1人2役だったんです。正反対の2人なのにどこか似ている、そこを表現するために、叫び方や自分を見失うときの表情を意識するのが難しかったです。

――2013年は、高校卒業と大学進学が重なり、私生活でも節目の年だった。仕事と学業を両立するなかで、女優としての意識が変わるような出来事もあったという。

『真夜中のパン屋さん』のとき、「お前、最近セリフ入ってないぞ」って監督に一度怒られて。ちょうど大学受験でパーッとなっていたときで。「今はいいかもしれないけれど、ほかの作品に行ったときに心配だ」って言ってくれたんです。そのときは何となく許されると思っていたのかもしれません。ピシッとしてもらえてよかったです。次の日は1回も間違えませんでした(笑)。

女優を辞めようと思った日

第1話の高台でメロンパンを食べるシーンも大変でした。人の暖かさに触れて、感情があふれるシーンだったんですけど、風が強くて、寒くて。「おいしい」っていう言葉と、希実(のぞみ)の心が溶けていくスピードがかみ合わなくて、気持ちが固まってしまったんです。そのうちに、エキストラで来てくれていた小さな女の子が泣いちゃって。「ああ、どうしよう」って焦っていたら、主演の滝沢秀明さんと桐山照史(あきと)さんがその子のところに行って、「寒い? でももう少し一緒に頑張ろう」って言ってくれて。そこでやっと気持ちがワッとなって、希実の感情ともリンクして、何とか撮影できたんです。でもあのときは、「もう辞めよう」って思うほど落ち込みました。

――2014年は、心は47歳という難しい設定の『今夜は心だけ抱いて』(3月4日~、NHK BSプレミアム)ほか、朝ドラ『花子とアン』(4月~、NHK総合)、さらに夏に公開される映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』に出演する。細やかな感情表現に定評があるだけでなく、清潔感のあるキャラクターと、意外なほどの運動神経の良さを併せ持つ彼女。これらの活躍が起爆剤となり、2014年の後半に向けて民放ドラマでも起用される可能性は高い。

『花子とアン』には、私は1月から撮影に参加しています。きっとお茶の間に心温まる時間を届けられる作品ですし、その一員になれることがすごく幸せです。

『るろうに剣心』では、剣心役の佐藤健さんの演技にとても刺激を受けました。セリフだけでなく、ギリギリのなかで志々雄(ししお)(藤原竜也)と戦うときの、必死に起きあがる右肩にすごく感動して。健さんには、アクションのアドバイスもしていただきました。私が演じる操(みさお)が、蒼紫(あおし)(伊勢谷友介)に向かって斬りに行くシーンで、「ただ走っていくんじゃ迫力が伝わらないから、1回踏み込んで弾き飛ばされたほうが、ちゃんと蒼紫に攻撃しているように見えるよ」って。そこから剣心と操の猛特訓(笑)。本当に頼りになるお兄さん的な存在でした。

いつも心にあるのは、『トウキョウソナタ』のときに香川照之さんが教えてくださった「絶対に周りへの感謝の気持ちを忘れちゃいけない」という言葉。美術さんが必要なものを整えたり、照明さんがライトを当ててくれるから、全力で演技ができるんだよって。もうひとつは、「オーディションではうるさいぐらいの大きな声であいさつをすること」。その教えを守って、大友啓史監督が演出する『龍馬伝』(2010年、NHK総合)にも合格できたんですけど、「よろしくお願いします」って言ってからの記憶が全くなくて。今回、『るろうに剣心』で大友監督の作品に数年ぶりにかかわれて、気が引き締まる思いでした。

自分のなかでは、ああいう作品に出たいとか、色々と思うことはあるんです。でも今は、あえて何も考えないようにしています。一生懸命目の前のことに力を注いで、いつか共演した方やスタッフさんとまたご一緒したい。教えていただいた分、今度は私が作品を引っ張れるぐらいの存在になって恩返しをしたいと思っています。

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2014年2月号の記事を基に再構成]

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