乳がん検診、若い女性が受けた場合に不利益も乳がんの最適治療(1)

40代以降は、こうした不利益を考慮しても、がんを見つけるメリットのほうが上回るため、検診が推奨されますが、「発症者の少ない30代や、まれな20代が検診を受けると、利益はない、またははっきりしないのに不利益だけは受けてしまう」と斎藤さん。

また、乳腺密度が高い若い人の乳房は、マンモ検診では乳腺も病変も白く映ってしまうため、病変をみつけにくいことがあります。そのため、超音波検診のほうが病変をみつけやすいとの意見もありますが、「超音波検診も死亡率を下げるかどうかは根拠がまだない。一方、偽陽性、つまり『検診の不利益』は確実にある」と斎藤さんは話します。

家族性乳がんの可能性がある人、自覚症状のある人は、若くても別対応で検診の検討を

ただし若い世代でも、下のチェックに1つでも該当する人は、家族性・遺伝性乳がんの可能性がある人なので、別の対応を検討することをおすすめします。具体的には、一度乳腺の専門家に相談し、必要なら早くから定期検診を受けるなどです。また、「乳房に異変を感じたら、すぐに乳腺専門医の受診を。これが今できる最大の自己防衛法です」(斎藤さん)。

あなたは「乳がんハイリスク」? チェック
□ 40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
□ 年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
□ 年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
□ 血縁者に男性乳がんになった人がいる
□ 乳がんになった血縁者が自分を含め3人以上いる
□ BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が確認された血縁者がいる
□ 抗がん薬、分子標的薬、ホルモン療法薬のいずれもの治療が難しい(トリプルネガティブ)といわれた乳がんの血縁者がいる
斎藤 博さん
国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部部長。がん検診の有効性評価および精度管理の研究を続ける、がん検診の第一人者。著書に『がん検診は誤解だらけ 何を選んでどう受ける』(NHK出版生活人新書)がある。

(日経ヘルス編集部)

[日経BPムック「『乳がん』といわれたら――乳がんの最適治療2013~2014 完全版」の記事を基に再構成]

[参考] 日経ヘルス編「『乳がん』といわれたら――乳がんの最適治療2013~2014 完全版」では「早期発見するために、乳がん検診の正しい情報を得る」「専門医が薦める身近な精密検査の病院88」「最善の治療法の選び方」「乳房再建術」などを掲載している。

「乳がん」といわれたら- 乳がんの最適治療 2013~2014 完全版 (日経BPムック)

著者:
出版:日経BP社
価格:1,890円(税込み)

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