おニャン子、モー娘。…グループ卒業後の人生模様
日経エンタテインメント!
今年になって、ますます勢いを増す女性アイドルグループ。しかし、そんな彼女たちもいずれグループからの卒業や、時にはグループの解散を迎えることだろう。その時、彼女たちは、ソロとしてどうなるのだろうか。そこで今回、おニャン子クラブ(おニャン子)とモーニング娘。(モー娘。)の2組の過去を振り返ってみた。
まず、おニャン子クラブからはメンバー10人を抜粋した。
人気のピークは解散前年の1986年で、在籍中に次々とソロデビューを果たし、1位を獲得。しかし、その大半が解散後数年でローテーショナルなリリースから外れ、ある者はタレントへ、またある者は引退し、アイドル歌手を卒業した。
ちなみに、全メンバー52人のうち約8割がすでに芸能界を引退している。おニャン子での活動を生かせなかったようだ。
その中で例外的に歌手活動を延命させたのが工藤静香だ。彼女は松井五郎や中島みゆきを作詞に迎え、おニャン子本体とは一線を画したシリアスな楽曲を次々と発表し、新規ファンを開拓した。
さらに、最も音楽寄りなのが城之内早苗だ。彼女はデビュー作『あじさい橋』が勢いで1位になったものの、以降は売り上げが急落し、ものまね番組への出演がメインの時期もあった。しかし、徐々に演歌歌手としての活動が板につき、4度のレコード会社移籍を乗り越え、2010年以降は毎年ロングヒットを出している。やはり彼女の場合も、結果として演歌という音楽面での差別化が功を奏したのだろう。
出来婚もアリのモー娘。たち
次に、モーニング娘。の4期メンバーまでを見てみる。
ここでも、後藤真希や安倍なつみなど、卒業後も歌手活動を延命化させたケースが目立つ。だが、それでも現在のところ、卒業後にグループよりもヒットしたメンバーは見られない。
ただし、おニャン子と比べて、タレントを含めると現役の割合が非常に多く、アイドルとしてマイナスに見られがちな「出来婚」ですら、ママドルの活動につなげている。厳しいレッスンを乗り越えてきたハングリー精神が、そのまま芸能界でのサバイバル術に役立っているのだろうか。
モーニング娘。は、音楽的に素養のある子を発掘するというつんく♂プロデュースのもとで、現在もメンバーの加入と卒業・脱退を繰り返し、ここへ来てボーカルやダンスに対する評価も高まっている。その意味では、アイドルグループ出身という先入観を打破できるだけの、個性的なソロが今後出てくる可能性が感じられる。
(ライター つのはず誠)
[日経エンタテインメント!2013年8月号の記事を基に再構成]
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