2014/1/24

いじめ、中傷、侮辱を学校の規律の問題として終わらせず、人権に関する犯罪として捉えられるようになりました。以前はいじめの解決策は、いじめの加害者を罰して態度を変えさせることだとされてきましたが、現在は、いじめは、学校法と差別法という法律と規制の違反行為と扱われ、その責任は自治体あるいは私立の学校の理事会が果たさなければなりません。

つまり、「学校でいじめられないこと」は子どもの権利として法律で守られるべきだと考えられるようになったのです。

この方針は、特に義務教育の小中学校において重要視しています。子どもがいじめにあわないようにオムブズマンの制度を導入しました(オムブズマン:国、地方公共団体等にかかわる不正・不当な行為を監視する中立的な組織)。

スウェーデンで成功している学校のいじめ対策

いじめが少ない学校は、何か特別な方法を導入しているというより、いじめ・中傷・侮辱がないように長期的・持続的な取り組みをしていることが特徴です。予防対策として、学校の雰囲気がポジテイブになるように、平等、寛容、民主的な価値感を推進しています。

それらの学校は、子どもが登校してから下校するまで安心して勉強ができる環境を作るように努力をしています。例えば、いじめを発見する対策として、休憩時間の監視システムがしっかり導入されています。監視する大人が子どもたちの遊びに積極的に参加し、いじめが起きやすい場所を把握しています。

先生や職員にいじめ対策に関する特別な役割が与えられており、いじめが起きた時に、調査し、対策し、フォローアップをする体制がどうなっているのか、先生にも生徒たちにも明解になっています。

継続的にいじめを把握・分析するためには、学校の校長・自治体がいじめに関心を持って予防体制を作り、それを発展させる力が非常に重要になります。

先生や生徒たちが、常に、学校の環境やいじめに関する問題についてよく話合い、いじめについての知識を高めることも重要です。

再び同じ悲劇を起こさないために、日本も、いじめを個人の問題に終わらせず、学校環境に視野を広げる必要があります。そして、子どもが学校でいじめにあうことを許さない「いじめゼロ対策」のシステム作りが求められていると思います。

高見幸子
 1974年よりスウェーデン在住。15年間、ストックホルムの基礎学校と高校で日本語教師を務める。1995年から、スウェーデンへの環境視察のコーデイネートや執筆活動等を通じてスウェーデンの環境保護などを日本に紹介。2000年から国際NGOナチュラルステップジャパンの代表。現在、顧問として企業、自治体の環境ファシリテーターとして活動中。共著『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』(合同出版)など。

[ecomomサイト2012年8月7日付記事を基に再構成]

[参考] 家族と自然にやさしい暮らしがテーマの季刊誌『ecomom(エコマム)』。2013年冬号では、「毎日の家事を『ラク・時短・楽しく』解決」「お正月を楽しむ わが家のしつらえ」「もっと知りたい!スマートハウスQ&A」などを特集。公式サイトで登録すると、無料で雑誌が届く。