6月19日、日本政策投資銀行が主催する「第3回 女性新ビジネスプランコンペティション」の最終選考会・授賞式に参加しました。今回、大賞に選ばれたのは米ニューヨークで「Material Wrld」を経営する矢野莉恵さん。ブランド服の古着売買をネットと郵送で簡単に行え、提携先の百貨店の商品券で代金の決済をするという面白いビジネスを展開されています。
2年前、私もこちらで大賞をいただき、それをきっかけに大きく羽ばたくことができたのですが、そのときから比べると、応募プランの水準がずいぶんと高くなってきています。矢野さんはビジネスへの強い意志と経営知識を持ち、起業家として私も負けていられないと元気をもらいました。
ただ、世の中には、こうした女性の意識の変化を理解できない人たちがまだまだいらっしゃるようです。東京都議会で質問中の女性議員にひどいヤジが飛んだのは、この授賞式の前日のことでした。その後の展開をニュースで見るにつけ、あきれるやら、悲しいやら。有権者に選ばれた方々の公の場での行動としては、あまりに次元が低すぎます。
ここまでひどくはありませんが、時々、私自身も仕事上で「女性だからなめられているなあ」と感じることがあります。最近ちょっとむっとしたのは、ある取引先の男性の一言。一生懸命、営業トークをしていたら、「そんなもうからないことやらないで、お店を開いたら。そうしたら遊びに行くよ」と言われてしまいました。
お店って何? 居酒屋の女将かクラブのママなら契約するよという意味ですか。前後の文脈からすると「肩から力を抜いてがんばれ」とも聞こえたので、ニコニコしていましたが……。他にも、男性スタッフと一緒に営業していると、男性が代表だと思う方が圧倒的に多く、相手が名刺を最初に差し出すのは決まって男性スタッフに。
逆に、今は女性の活躍を国を挙げて応援しようという機運ですので、実力以上に持ち上げてもらっている面はあるかと思います。しっかり結果を出して次の方々へつなげないととプレッシャーを感じています。
そこにいくと、農家のみなさんは実に自然体。女性だからといって見下された体験は一度もありません。農村は保守的で男尊女卑の傾向があるように思う方もいらっしゃるでしょうが、それは誤りです。理由もはっきりしていて、たいていの農家では夫より妻のほうがしっかり者で発言力が強いのです。事務作業、近隣農家とのお付き合い、さらには農作物の直販営業。これらは女性が得意とするところで、妻の力の源泉になっています。