2013/10/4

東京ふしぎ探検隊

境界またぐ「巨人の練習場」に泥棒が

新設されたプロ野球・巨人の室内練習場。隣には読売ジャイアンツ球場がある

それにしてもなぜ、こんな狭い飛び地が生まれたのか。稲城市など関係各所に尋ねたが、はっきりしたことは分からなかった。可能性としては「現・稲城市側の入会地(いりあいち)があった」「稲城市の地主が農地を持っていた」「明治後期に東京都と神奈川県を再編成した際、何らかの理由で取り残された」などの説があるという。

境界が入り組んでいることは、時に思わぬ混乱を招くことがある。現在は空き地となっている飛び地にはかつて、プロ野球・巨人の室内練習場があった。2002年、ここに泥棒が入ったのだ。

この練習場、大部分は稲城市の飛び地にあったが、一部は川崎市にまたがっていた。これが問題となった。泥棒が盗んだのは稲城市側にあるロッカーに入っていたグラブ。しかし侵入したのは川崎市側の窓からだった。当時の新聞によると、警視庁と神奈川県警、どちらも出動し、一時騒然となったという。

室内練習場は09年、川崎市側の敷地に倍の広さとなって新設された。飛び地は更地に戻り、臨時駐車場となっている。

町田駅前のヨドバシカメラ、店内に境界線

行政上の飛び地ではないが、川を隔てて飛び地状態になっている場所もある。

東京都西部にある町田市は、境川を挟んで相模原市と向き合っている。川が境界線ならわかりやすいと思いきや、そうでもないらしい。地図をよく見てみると、あちこちで境界線が川をまたいでいるのだ。

典型的なのがJR町田駅の南口。それまで川沿いに走ってきた境界線が突然上陸して駅方面に向かい、駅をかすめてまた川まで戻っている。本来ならすべて町田市となるはずの駅前の一部が、相模原市になっていた。

境川に沿っていた町田市と相模原市の境界線は、突然JR町田駅方面に向かい、ヨドバシカメラのあたりで再び境川に戻っている

境界線は駅前にあるヨドバシカメラマルチメディア町田の店内を通っている。地図で確認するとちょうど駐車場の辺りに境界線があった。

休日にカーナビゲーション付きの車で駐車場を走ってみた。境界線をまたぐたびに「神奈川県に入ります」「東京都に入ります」と音声が流れるかと期待したが、結果は無音。メーカーによるのかもしれない。

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「都民のままがいい」 境界変更に反対の声も