ロシアや台湾にも新拠点? “AKB48”の2011年計画秋元康インタビュー日経エンタテインメント!

おニャン子クラブから20年後にあたる2005年に秋元康氏が立ち上げたAKB48は、5年の歳月を経て日本のエンタテインメントビジネスを変えてしまうほどの“新フォーマット”として成功を収めました。そして2011年、国内の拠点を広げながらも、いよいよ本格的な海外展開が始まります。その狙いは何か、日経エンタテインメント!誌が秋元氏のインタビューから探ります。
あきもと・やすし 1956年5月2日生まれ。17歳のころから放送作家として活動し、数々の番組構成を担当。 83年以降は作詞家として、美空ひばり『川の流れのように』をはじめ、中島美嘉『WILL』、EXILE『EXIT』、ジェロ『海雪』などのヒット曲を手がける。映画監督、小説家としての顔も持ち、現在は京都造形芸術大学副学長も務める(写真:アライテツヤ)

秋葉原の劇場で毎日公演する、“会いに行けるアイドル”というコンセプトで2005年にスタートしたAKB48。誰もが無謀と思ったそのプロジェクトを、5年がかりで大ヒットに導いたのが秋元康氏だ。彼女たちのCDがミリオンヒットになり、今やメディアでAKB48を見ない日はない。さらに、秋葉原だけではなく、名古屋・栄を拠点とするSKE48、大阪・難波で産声を上げたNMB48と、そのフォーマットを全国に拡大。この成功に続けとばかりに、他のアイドルグループが続々とデビューする「アイドル戦国時代」現象まで巻き起こしている。

その秋元氏が最近口にしているのが「世界戦略」だ。2010年4月のインタビューでは、「70%ぐらいは失敗しそうだけど勝機はある」と語っていた。2011年は、姉妹グループを含め、“AKB48”をどのように仕掛けていくのか。

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AKB48の場合、ロードマップを描いて、それに従って進んで行くというよりは、その時々で「何が起きるんだろう?」と皆さんが思うようなことをやっています。

もちろん、初めに企画やイメージを決めておけばスムーズなんですが、「これだ!」と思いついたらすぐやってみる、ということがどこまでできるか。AKB48って、ドキュメンタリーですから。(ヒットのために)何が必要かではなく、面白いか面白くないか、驚くか驚かないか、といった部分が大きい。

一番分かりやすい例が、「選抜じゃんけん大会」。2010年は、10月27日の『Beginner』でシングルのリリースは終わりの予定だったんです。でも、急きょ、12月8日に“臨発”(臨時発売)に近い形でシングルをもう1枚リリースしました。

じゃんけんで一番勝ったメンバーが、新曲(『チャンスの順番』)をセンターで歌えるという「選抜じゃんけん大会」は、秋元流サプライズの最たるものだった。

この企画をやろうと思ったのは、第一は、ファンの皆さんの声がきっかけですね。「選抜総選挙」といっても、結局はメディアに頻繁に出ているメンバーのほうが認知度は高いし、有利なんです。「これは公平な選挙ではありません。年に1回のお祭りですから」と以前から言っているんですけどね。ただ、第2回の選抜総選挙が終わってみて、ファンの皆さんから「やっぱり劇場で頑張っているメンバーは不利ですよね」という声が聞こえてきたので、「じゃあ一度、じゃんけんで決めよう、これなら公平だろう」と。

7月に開催した国立代々木競技場第一体育館でのコンサートで発表したんですけど、そのとき客席から「ワーッ!」という盛り上がりが起こりました。これは、ファンとの連帯感だと思うんです。まさか、じゃんけんで選抜メンバーを決めるとは思わないだろうという仕掛けに、「今度はこうきたか!」というファンの反応が生まれて、相互のやり取りとなるところが面白い。意外性という点は、いつも意識しています。

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また秋葉原に戻ればいい
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