リーマン逆手に資産6倍 ツワモノ投資家の運用術

リーマン・ショック直前、自宅購入を検討していたこともあり、現金比率はかなり高かった。それでも株価下落の被害は甚大で、「つらい思いをしながらリスク資産を圧縮した。以降、とにかく負けない運用を心掛けた」と言う(図3)。

ショックの余波は仕事にも及び、賃金や賞与はカット。生活費を切り詰める暮らしが続いた。その後、2010年頃になると賃金は元の水準に戻り、株式市場も落ち着きを取り戻してくるが、株価は上向く気配がない。それでも賃金カット時の節約生活を維持しながら投資資金を捻出。当時、市場にごろごろしていた優待+配当利回り10%超の株を買いまくる。

2011年の震災後の下落時は資産の25%は確保していた予備資金も投入した。銘柄の選別条件は有利子負債が少なく利益が出ている銘柄。優待株は会社負担が少ない優待内容の銘柄を選んでいた。過去の経験で、この条件を満たすものは下値が限られ、優待改悪のリスクも低いことが分かっていたからだ。

図3 fastroadさんのポートフォリオの変化。リーマン・ショック後から徐々に仕込んできた高配当株が、アベノミクスで開花した

2012年末までに25~30銘柄、金額にして1000万円近くを日本株に投じる。この間に仕込んだ日本株がアベノミクス相場で大輪の花を咲かせた。一例を挙げると東祥が3倍、GMOインターネットが2.6倍といった具合だ。

直近は割高になった銘柄を入れ替え、利益を確定しつつ現金比率を上げている。それでも日本株比率が65%と「心理的負担の高い資産配分」になっており、リスクを抑える方向(とはいえ年率±24%程度)で見直しを進めている。

(ライター 福島由恵、日経マネー 本間健司)

[日経マネー2014年6月号の記事を基に再構成]

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