世界的な大混乱を招いたリーマン・ショックで、資産を大幅に減らしてしまった投資家は少なくないだろう。しかし、そんな逆風の中で、資産を6倍以上に膨らませた「ツワモノ投資家」もいる。彼らは何を見て、どのように考えて投資してきたのか。2人のツワモノ投資家に、リーマン・ショックから6年間の運用術を公開してもらった。
■地合いの変化を先回り 「肉食」と「草食」を使い分け
個人投資家 www9945さん:過去6年の成績…640%
「本格的な不況が来る」。年収300万円のサラリーマンながら、株式投資で2億円稼ぎ出したwww9945さんがこう予感したのは2007年末。米サブプライムローン問題の余波で日本の株式市場にも陰りが見え始めていた。彼が波乱相場を生き抜けたのは、相場の変化をいち早く捉え、行動に移す機敏さがあったからだ。
過去6年間の投資行動を見てみよう(図1、図2)。リーマン・ショック前後のA時期はディフェンシブ株狙い。これぞという銘柄に絞り、信用取引も駆使するなど、リスクの高い「肉食投資」を実践した。
一方、相場反転期B・D・Eの獲物は、景気拡大初期に強い素材・電機などの景気敏感株や証券株。こうした銘柄が高値になったら、テーマ株や好業績株などにシフトしていた。