住民主導の自治会バス

部長 一口にバスといっても、色々あるな。

1日5往復の水尾自治会バス(JR保津峡駅)

太郎 京都市内で、もっとインパクトのあるバスを見つけましたよ。右京区の水尾地区を走る「自治会バス」です。

京子 水尾って愛宕山のふもと、保津峡の奥にある山里ですね。「柚子(ゆず)の里」として知られていますが、過疎地帯です。

太郎 そう。なんと昭和41年(1966年)から走っていて、その前は農協が走らせていたそうです。JRの保津峡駅から里までの約4キロを、白ナンバーのマイクロバスが1日に5往復しています。

部長 貴重なライフラインというわけだな。

太郎 運賃(250円)による収入や各世帯からの負担金だけでは赤字で、存続が危ぶまれた時期もありましたが、京都市の補助を受けてどうにか維持されています。

京子 長いこと京都市民ですが、知りませんでした。

部長 京都の市電は昭和53年(1978年)に廃止されているが、LRT(次世代型路面電車)の導入を求める声が一部にあるな。

太郎 BRT(バス高速輸送システム)というアイデアもありますね。

京子 しかし今さら軌道を敷くっていうのは、どうなんでしょう?

京都市交通局のトロリーバスの終点、松尾橋。ここでぐるりと向きを変え、四条大宮へ向かっていた

部長 ちなみに昔はトロリーバスというのがあった。今でも立山黒部アルペンルートでおなじみの、架線から電気を引いて走るバスだ。昭和44年(1969年)に姿を消したが、都市交通では京都が日本初だったんだぞ。

京子 本当にお好きですね、そういう昔話。

太郎 昔話と冷やかす前に、今の時代に合った交通システムを考えるべきじゃないかな? IT(情報技術)全盛の時代ですが、京都ではそれさえ有効に活用されているようには見えませんし。

部長 おっ、いつになくマジメじゃないか。

太郎 調べるまで正直、バスについてはよく知りませんでした。147万人都市の京都市内だけでも色々ありましたし。

部長 規制緩和だって、新規参入もあれば、一方で消えゆく路線もある。人口が少ない府の北部や南部ではより深刻だ。

太郎 コミュニティバスも経営は難しいですが、「動く公民館」とでも考えれば高齢者の活動範囲は広がるし、下手にハコモノつくるより安上がりだという考え方もありますね。

京子 なるほど。

部長 住民の足のことも知らずに、簡単に「街づくり」「地域おこし」なんて言葉を使うなよ、という注意喚起だ。

太郎 他にも意図があっての取材命令とは、このことでしたか。

部長 いよいよ参院選も始まったしな。選挙区の様々な表情を普段から注意深く見ておいてくれ。

(京都支社 瀬崎孝)

次回は7月18日に更新します。

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