京都はバスの見本市 高速・自治会・プリンセス…

京都はバスの先進地。観光バス以外にも様々な形態のバス、そして歴史がありました。

【登場人物】

東太郎(あずま・たろう、30) 中堅記者。千葉県出身。人生初の「関東脱出」で京都支社に転勤し半年。取材時もオフの日も突撃精神で挑むが、時に空回りも。修学旅行のバスで歌わされた鹿児島の俗謡「茶わんむしの歌」。今でも覚えていて歌える。

竹屋町京子(たけやまち・きょうこ、25) 支社の最若手記者。地元出身、女性ならではの視線から、転勤族の「知識の穴」を埋める。バス停でじっと待てない性分。「健康にもいい」と次のバス停へ歩き出し、途中で追い越されて乗り損ねることもしばしば。

岩石巌(がんせき・いわお、50) 支社編集部門の部長。立場上、地元関係者との交遊も広く、支社で一番の「京都通」を自任する。家から幼稚園まで徒歩1分。スクールバス「アトム号」で通ってくる友達がうらやましかった。

(登場人物はフィクションです)

昭和初期に走り出した観光バス、日本初も続々

岩石部長 京都のバスに関する情報は集めてきたか?

東太郎 「鉄道の話が好評だから、きっとバス話も関心が高いぞ」って、わりと安直に始めた調査ですね。

部長 ほほう、言ってくれるじゃないか。他にも意図があっての取材命令なんだがな。

竹屋町京子 調べてみると、あれこれ話題がありました。さすが全国有数の観光地って感じです。

部長 報告してもらおうか。

京子 部長の好きな歴史モノで言うと、今も続く京阪バス(京都市)の前身、京都名所遊覧乗合自動車が定期観光バスの営業を始めたのは昭和4年(1992年)です。

部長 名所遊覧という名前が、時代を感じるなあ。

太郎 東京の方が京都より4年ほど早いですけどね。

京子 これまた部長の好きな「京都が日本初」でいうと、1986年の男女雇用機会均等法の施行を受けて定期観光バスで女性運転手を採用したのは京阪バスが日本で最初、と同社の社史に記述があります。

太郎 定期観光バスを共同で運行していた京都市交通局も、公営バスとしては日本で初めて、91年に女性運転手を登場させています。

京都市バスはバス停で系統ごとに営業係数(右上の数字)を掲示。100超だと赤字

部長 待てよ、共同運行していた、ってことは……?

京子 京都市は2012年3月末で観光バス事業から撤退しています。京阪バスとの共同運行で1955年から半世紀以上続けていましたが、交通機関の発達、旅の楽しみ方の多様化などで利用者が減り、赤字続きでしたから。

部長 市バスは一般路線でも京都バス(京都市)や阪急バス(大阪府池田市)などの民間事業者に運転や車両整備を委託し、経費削減に必死だからな。運転手は同じ制服を着ているから、分かりにくいけど。

京子 民間への委託は2000年からですね。これも全国の公営バスでは京都市が初めてです。

2012年12月に引退した2階建て観光バス「グランパノラマ」

太郎 撤退といえば定期観光バスでは日本で初めて導入された2階建てバス「グランパノラマ」も2012年12月に引退しました。1982年のデビューから30年でした。

部長 おお、眺めが良くてユニークだったのに惜しいなあ。

京子 京阪バスだけになった定期観光バスですが、あれこれ工夫をしていますよ。3月に始めた「プレミアム化」もそのひとつですね。

太郎 1日24人限定のコースで、寺社の特別拝観や茶道の作法体験などを取り入れ、昼食もリッチにしています。お値段は1万円以上ですが、車内では2人分の席を1人で座る「ゆとり」もあります。

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