食事など生活習慣も改善も重要(写真はイメージ)

Q 社内健診の1週間前から節制すれば、検査項目の数値は正常に戻るの?

ホント 血糖や中性脂肪、肝機能の数値、尿酸などは食事に非常に影響されるので、1週間も節制をすれば、基準値を超えていた数値が基準値内に収まることもあり得る。ただ健診が終わって元の不摂生に戻っているならば、普段の状態を検査したことにならず意味がない。検査をきっかけに節制を心がけた習慣にするなら話は別だが、本来の健診は「いつもの自分」で受けるべきだ。

なお、「かくれ糖尿病」の発見に有効なHbA1cの値は、検査直前の食事や運動の影響を受けにくいので、検査前に節制をしてもほとんど変わらない。

Q 健診結果で「異常あり」だと「手遅れ」とのうわさも…

ウソ 「異常あり」の判定の中にも段階がある。重大な病気の可能性がわかるということはあるが、「手遅れ」になることは非常にまれ。基準値を少し上回るくらいの異常値で、その数値が一時的なものであれば、生活習慣を見直し、改めていくことで、健康な体に戻すことができる。異常値だからと悲観的になる必要はまったくない。もし、その数値が持続性がある(病気の可能性がある)のであれば、受診して治療すればいい。

ただ、「要再検査」や「要精密検査」といった判定がでたら、すぐに受診して医師の指示に従うこと。「異常があるのは1項目だけ。大したことではないだろう」などと軽く見てはいけない。

Q 社内健診には検査項目数に「松竹梅」があるってホント?

ホント 診断結果を見ると、脂質、糖尿病、肝機能…など、それぞれに複数の検査項目がある。その中から「どの検査をするか=どの数値を調べるか」は、会社の健診に対する方針や、健診にかけられる費用を基に、事業者(会社)が決定している。

たくさんの項目を検査し、人間ドック(がん検診なども含まれる精密な検査)を受けさせる会社もあれば、厚生労働省の定める必要最低限の項目しか検査しない所もある。前ページの「健康診断個人票」にもいくつかの空欄があるが、社内健診ではこの程度の検査項目数が一般的。

Q 判定に「要経過観察」の項目がある場合、「見てるだけ」でいいですか?

ウソ 「要経過観察」とは、「今までどおりの生活のまま、様子を見ていればいい」ということではない。今までの食事や生活習慣を見直して、改善する努力をしたうえで、「次回の検診でその数値が良くなっているかどうかを見ましょう」というのが正しい意味。「軽度異常(B判定など)」も同じ。正常の範囲だが数値が高めである認識をすることが大事。

Q 社内健診を受けるだけでは、がんは見つからないの?

ホント 社内健診は、日本人の死因の病気トップ3の「がん」「脳疾患」「心臓疾患」のうち、がんを除く二つの死亡率を下げるためというのが目的だ。社内健診でわかるのは、主に心臓疾患や脳疾患の引き金となる可能性が高い「動脈硬化」の要因や危険因子があるかどうか。また、糖尿病などの生活習慣病の原因になるメタボリックシンドロームかどうかを判定する。

このように、現在の検査項目では、社内健診とは別にがん検診を受けなければ、がんはまず見つからない。「肺がん検診」「胃がん検診」など、目的に合った、自分が気になる「がん検診」を忘れずに受ける心がけも必要だ。

(日経ヘルス 池田悟、ライター 船木麻里)

[日経ヘルス for MEN 2010年春号の記事を基に再構成]