「私が舞台の全責任を負います」24歳舞踊家の覚悟大貫勇輔インタビュー

マシュー・ボーン(英国)といえば、舞台芸術で最も権威があるとされる米国のトニー賞や英国のローレンス・オリヴィエ賞など数々の受賞歴がある、現代を代表する演出家だ。「白鳥の湖」などの古典作品を独自の解釈で生まれ変わらせるなどしてきた。その奇才に見いだされた日本人ダンサーがいる。大貫勇輔(24)。ボーンが演出するダンス公演「ドリアン・グレイ」(11日から。Bunkamuraオーチャードホール)で主役に抜擢された。大役に挑む心境を聞いた。
おおぬき・ゆうすけ 1988年神奈川県生まれ。7歳よりダンスを始め、17歳よりプロダンサーとして数々の作品に出演。2011年ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(死のダンサー役)に出演後、2012年にはミュージカル『キャバレー』にて藤原紀香の相手役に抜擢され、俳優デビュー。2013年、マシュー・ボーン演出の『ドリアン・グレイ』で主役を演じる。(写真 編集委員 葛西宇一郎)

――『ドリアン・グレイ』オーディションの経緯は

「2010年に初めてマシュー(・ボーン)さんの白鳥を見ました。そのときちょうどリチャード(・ウィンザー。今回の『ドリアン・グレイ』でダブルキャスト)の回を見ていて、すごく華のあるきれいな体の人だと思っていました。いつか、自分もこんな舞台に立てたらとずっと思っていたんです。だから、オーディションを受けられると1年前に聞いたとき、『絶対受ける』と即答しました。ロンドンで、といわれてもそんなこと関係なかった。大変なチャンスだと思った」

「オーディションでは3曲踊ったんですが、1曲目ちょっとやりすぎちゃって、『君はバジル(メーンキャストの一人)が向いているかもしれないね』といわれてやばい! と思いました。そこで、2曲目で少し自分を落ち着かせて、冷静に、ちょっとセクシーな感じでやってみたら、(マシューさんが)こういうのもできるんだね、と。そこでほぼ(ドリアン・グレイの)役に決まりました。やるつもりでいったけど、やっぱりすごく嬉しかった」

――踊るときに意識していることはありますか。原作が言葉で表現しているものを踊りで表現するわけですが

「やっぱり、原作は小説なので、言葉で表現されているから、伝わりづらい部分は言葉でイメージできるし、幻想的で甘美な雰囲気が巧みな言葉で表現されているけど、それをダンスで表現しようとしたときにどうするのか、ということですね」

「今回、稽古場に入ってすごく思ったんですが、ダンスの舞台っていうより芝居の舞台、って感じなんですよね。ダンスの変わった形じゃなくて、芝居の変わった形。ベースが芝居にあるんです」

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