2012/10/5

集まれ!ほっとエイジ

――シニアにも階層があるのですか。嫌ですね。

松本 地域には、いろいろなハードルがあります。けれども既存のグループが女性ばかり、長老ばかりで嫌ならば男性だけとか、同世代の仲間と集まって始めればいいのではないでしょうか。これからのシニアは上の世代とか女性とかを気にすることなく、今までの経験を生かしてやれることを自分たちでつくり上げていくべきだと思います。

「年金兼業生活」で、年金もらいながらお金も稼ぐ

――地域デビューが自分の趣味の延長でできるといいのですが。

松本 そういう人もいます。映画が大好きで、市民基金を募って地域に映画館をつくってしまった人がいます。今ではほかの地域の映画館づくりの指導もしています。

私の知っている山歩きが好きな人は、植物の知識もあり、山歩きを楽しむツアーを組みました。1日2000円。10人で2万円。土曜日毎週、企画したら8万円。これが、年金をもらいながらお金も稼ぐ「年金兼業生活」です。

――具体的な例があることが大事ですね。イメージが湧いてきました。

松本 男性の地域デビューのモデルケースとなるような事例が増えてくれば、男性の理解も進み、いろいろなアイデアが出てくるかもしれませんね。

街を見渡すと自分と関連のあることが見えてくる

――地域デビューするためにはどんな準備が必要なのですか。

松本 50歳になったら、仕事しつつ軸足を社会全般、地域社会に移していくことが大事ではないでしょうか。社会貢献部門がある会社も多いと思うのですが、そこで何をしているのかを調べてみるのもいいかもしれません。そうした部門にはたまたま配属されただけで、何をやっていいか分からない人がいて、うまく機能していない場合もあります。それならば、社会貢献部門を担当させてもらうというのも手です。定年退職後にやるべきことも見えてくるのではないでしょうか。

私は、自治体の地域デビュー講座の講師をすることがあるのですが、受講するのはほとんどが定年後の方です。会社を辞めてから何をしていいか分からない。ここに来ればやることがみつかるのではと来られるのですが、そんなに簡単にやることは見つかりません。

「地域では、こんなことが起きていますね」「あなたはどんなことに興味があるんですか」「あなたは何ができますか」と尋ねながら、まず、自分自身のことを考えてもらいます。

ビジネス目線で「すぐ仕事につながることはないか」「これをやると目立つのではないか」と色気を出しがちなのですが、まずは自分自身の内面を見つめた上で考えないと、定年後にやるべきことは見つかりません。定年後は長いですから、しっかりと考えるべきです。

――地域にはいろいろなニーズがありそうですね。

松本 少子高齢化、街づくり、防災・防犯など、地域はいろいろな問題を抱えています。街を見渡して、自分と関連があって「これ、やったら面白いんじゃないの」と思うようなことが結構あるはずです。

ビジネスも地域も分かるコーディネーター役に

――地域活性化の担い手であるNPOは自治体と協力する例は多いようですが、企業と組むことはあまりないですね。

松本 アメリカではNPOと企業が連携する例は多いですが、日本では少ないですね。

例は少ないですが、たとえば日本アイビーエムのOBがつくった「イーエルダー」というNPOは、日本アイビーエムから、中古パソコンを譲ってもらい、福祉団体や学校に寄付し、使い方を教えるということをやっています。これは企業にとっても、自社のOBの生きがい創出と社会貢献の両方が一度にできるいい方法だと思います。

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リタイア後、やりたいことを書いた名刺をつくって