フランス料理の神髄に触れる食を愉しむ旅(6)ナショナル ジオグラフィック日本版

世界でも早くからシェフの実演を公開してきた同校の伝統は、短期コースの授業にも受け継がれている。前菜、テリーヌ、クレープを作る教室のほかに、ソース、パン、チョコレートの調理法をマスターする教室もある。

プロのシェフには名誉あるグラン・ディプロームを、アマチュアには、料理界の最高峰でソテーのコツや完璧なスフレの作り方を学ぶ機会を与えてくれる。それがここ、コルドン・ブルーだ。

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■ベストシーズン  年間を通して開催。授業と実演は平日に行われることが多い。

■旅のヒント  短期コースの定員は10~15名なので、遅くとも1カ月前には予約が必要。特定の前菜かメインコースと、デザートの作り方を学ぶ2~3時間のグルメワークショップもある。コルドン・ブルー・インターナショナルは、世界約20カ国で料理教室を開いている。

【見どころと楽しみ】
<フランス料理の女性大使>
コルドン・ブルーの著名な卒業生のひとりが、料理研究家で、米国のテレビの料理番組で実演シェフとして活躍したジュリア・チャイルド(1912~2004年)だ。彼女は、第二次世界大戦後に夫がパリの米国大使館に赴任した時に、初めてフランス料理に出合った。それが生涯にわたる情熱の始まりだった。その出合いは“魂と精神の解放”だったという。
コルドン・ブルーに入学したジュリアは、校長と意見を衝突させながらもグラン・ディプロームを取得。1963年には最初のテレビシリーズ「フレンチシェフ」が米国で放映された。1メートル90センチの長身で堂々としたジュリアは、特別な存在感を持っている。料理番組では、オムレツの作り方などの基礎から、新鮮なレモンシャーベットの作り方などの洗練された技にいたるまで、フランス料理の多様な技法を米国の視聴者に紹介し、91歳で故郷のカリフォルニアで亡くなった。
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