「この暑さ、いつまで続く?」を知る方法気象予報士 伊藤みゆき

梅雨も明け、学校は夏休みに入りました。小中学校の夏休みといえば、きちんと早起きをしてラジオ体操に行き、涼しい午前中のうちに宿題を済ませよう…と指導されていたかと思いますが、近年は、「涼しい午前中」がなくなってきています。今の子供たちは、アラサー世代が子供だったころよりも厳しい夏を過ごしているのです。

まず、東京の真夏日(1日の最高気温が30度以上)の日数を比較してみます。1981年から1990年までの10年間の合計は416日。2001年から2010年までの10年間の合計は531日。80年代にくらべて2000年代は、ひと夏あたり12日多くなっている計算です(合計日数を単純に10で割った日数と考えます)。

熱帯夜(1日の最低気温が25度を下回らない日)の日数は80年代で238日、2000年代で299日。ひと夏で6日多くなっています。さらに70年代までさかのぼると、ひと夏平均14日。近年は30日前後ですから、熱帯夜の日数は倍になっているのです。

夜間に気温が下がらないと、日中の気温上昇のスタート地点が高くなります。朝のうちから30度超という日もあり「午前中は涼しい」というのが昔の話になってしまったのが、数字にも表れています。

これは夜間に気温が下がりにくくなっている都市部に当てはまる傾向です。熱帯夜にならないような地域では「午前中は涼しい」という言説はまだ通用しますが、近年は暑さで命を落とす人も増えてくるなど、「暑さも気象災害の一つ」と考えられるようになってきています。

2010年に日本は「過去113年で最も暑い夏」となり、昨年2011年は広く節電への取り組みがなされる中、熱中症への懸念が大きくなりました。そこで気象庁では、昨年の夏から今年にかけて全国を対象に「高温注意情報」という情報を発表するようになりました。最高気温の予想だけでなく「30度以上の時間帯」も記されていて、暑い時間帯がひと目でわかるようになっています。こういった情報があれば、「今日は暑いのは昼だけだな」とか「今日は午前中でも暑そうだな」といった目安になります。高温注意情報の先駆けとなった埼玉県では、朝9時~夜9時ごろまで30度以上という日もあります。朝や夜間も熱中症に気をつけなければならないような日もあるのです。

気象庁が発表している「高温注意情報」。何時から何時まで30度以上の気温が続くかを予想している