2014/5/23

教師の社会的ステータスがカギ

スウェーデンがこれだけ学校教育にお金をかけてきたにもかかわらず、OECDのPISA学力調査の結果を見ると、10年間で読解力は9位から19位に、数学的リテラシーが18位から27位に、科学的リテラシーとなると10位から29位にとガタ落ちしています。

日本は、落ちた、落ちたと言っていますが5位とか9位でトップ10内を行き来しているので、スウェーデンほど心配する必要がないと思います。スウェーデンでは、ほかの調査でも学力が落ちていることが明解になり、まず、成績表を6年生からにするという対策をとりました。しかし、競争をさせたら学力が上がるかというとそう簡単ではありません。

一方、スウェーデンと同じように学校の休みが長く同じような教育システムをとっているフィンランドは、国際比較において常に上位を確保しています。スウェーデンの教育関係者は、この理由を調査しました。

その結果、フィンランドでは、教師の社会的なステータスが高く、優秀な学生が教師を目指す点が違いとして明らかになりました。フィンランドでは、教師になりたい学生が多く、大学院で修士号を取得した人も多いといいます。

スウェーデンでは、教師の給与もステータスも高くなく、教育学部への志願者が少ない状況です。入学試験の合格基準が低くなり、数学や科学をしっかり教えられない人も教師になっているのが現状です。これを問題視した政府は、教師のステータスを上げる一つの対策として、教師の給与を上げるための補助金を自治体に提供すると発表しました。

もう一つの違いは、フィンランドでは教師の権限が大きい特徴があります。スウェーデンは、政治家が学校にかなり介入し、様々な要求をするので、教師が落ち着いて授業に集中できないと言います。フィンランドにぜひ学んでほしいものです。

競争心は遅かれ早かれできてくる

競争心は、国際的な競争社会に生きている限り、遅かれ早かれついてくると思います。スウェーデンの子どもが小学校の時によく遊んでいても、中学校で高校のコースを選択する段階で勉強をするようになります。大学に入るには、高校の成績表と入試のどちらかで入りますが、医者、弁護士、ジャーナリストになるための学部は大変狭い門です。

高校生くらいになり、動機づけができれば真剣に競争心を持ち勉強するようになります(もちろん、やる気のない子どもの問題は残りますが)。

また競争心は、学校の成績ではなく、スポーツでも養うことができます。スウェーデンでは、子どもの学校の成績を上げることに熱心な教育ママは少ないのですが、スポーツに熱心なママやパパは多いです。スポーツの選手の社会的なステータスが高いこともあると思います。

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民主主義の社会で自分の言動に責任が持てる大人に