2014/5/23

小さい時から国民に人気のあるサッカーやアイスホッケーなどのクラブに入れて、子どもたちがスポーツの才能を発揮できるように応援しています。スポーツによって、子どもによい意味で競争心が育つようになっていると思います。子どもの時に何らかのスポーツをしていた人の方が、大人になって目標を持って仕事をするという、最近の研究結果もあります。

民主主義の社会で自分の言動に責任が持てる大人に

スウェーデンの学校教育の目標は、子どもが心身ともバランスよく成長し、民主主義の価値観を理解し、社会で自分の言動に責任を持って生きることができる市民を育てることです。

そのため、大人の言うこと、マスメディアの言うことを鵜呑みにせず、子どもたちが批判的な視点で考えられるようにするのが教師の目標となります。

極端に言えば、暗算が上手になるより、社会の問題に関心を持ち、それについて自分の意見を持ち、議論ができる国民を求めていると言えるでしょう。そのため、学校の授業でも、生徒同士の話合い、ディスカッションが多いのがこちらの特徴だと思います。

若い人の失業率の高さが問題に

スウェーデンやフィンランドでは、休みが多く、ゆとりがある学校教育をしていますが経済的な国際競争に負けていません。しかしながら、新しい課題が出てきています。

それは、現在、若い人の失業率が非常に高くなってきていることです。

いくら勉強をしても失業するのではないか、と将来の不安と絶望感を持つ高校生が増えています。今の学校教育の課題は、激動する社会とその労働市場のニーズと学校教育がミスマッチを起こさず、生徒に将来の希望を持たせるような教育をすることだと思います。

子どもたちが、将来の社会でたくましく生きられるように、詰め込みで受験に必要な知識だけでなく、いろいろな人と協働する力や、地球温暖化や貧困問題のような難題を解くための知恵と創造性が育つ教育が、スウェーデンでも、日本でも、世界中の国で必要だと思います。

高見幸子
 1974年よりスウェーデン在住。15年間、ストックホルムの基礎学校と高校で日本語教師を務める。1995年から、スウェーデンへの環境視察のコーデイネートや執筆活動等を通じてスウェーデンの環境保護などを日本に紹介。2000年から国際NGOナチュラルステップジャパンの代表。現在、顧問として企業、自治体の環境ファシリテーターとして活動中。共訳『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』(合同出版)など。

[ecomomサイト2013年7月9日付記事に加筆修正し再構成]

[参考] 家族と自然にやさしい暮らしがテーマの季刊誌『ecomom(エコマム)』。2014年春号では、「『食』からはじまる家族の健康」「イマドキの小学校の英語どうなっているの?」「震災を忘れない――。今からでもできること」などを特集。公式サイト(http://business.nikkeibp.co.jp/ecomom/)で登録すると、無料で雑誌が届く。