「地獄へようこそ」。入社したとき父、茂計(しげかず)さんに言われた。「まさか、と思ったけど本当に地獄のような毎日」。畑の見回り、ブドウの収穫、樽(たる)やタンクの発酵度合いの確認。契約農家とのやりとり、海外からの訪問客への対応。そして仕込みに次ぐ仕込み――。繁忙期の秋は醸造所の床に寝袋を敷いて2-3時間の仮眠で乗り切る日々が続く。時間が惜しくて風呂は3日に1度、食事は1日1食のみ。この時期は体重が1カ月で3キロほど落ちる。