コンピューター、女流王将に初勝利 指し手に磨き07年以来のプロ棋士、電脳対決

将棋の清水市代女流王将(41)とコンピューター将棋ソフトの特別対局が11日、東京都文京区の東京大学本郷キャンパスで指され、コンピューター側が勝利した。コンピューターが女流のタイトル保持者を破るのは初めて。

コンピューター将棋ソフト「あから2010」と対局する清水市代女流王将(11日午後、東京都文京区)

この対局は、コンピューター将棋ソフトの開発者らが参加する情報処理学会からの挑戦を受けて企画され、日本将棋連盟女流棋士会ファンクラブ「駒桜」の主催で行われた。本局では、後手となったコンピューターが「4手目3三角戦法」を採用し、序盤から積極的に攻めた。清水女流王将が中盤で持ち時間を多く使ったため勝負どころで時間がなくなり、最後はコンピューターに軍配が上がった。

対局終了後の記者会見で、コンピューター将棋に早くから携わってきた松原仁・はこだて未来大学教授は「多くのファンにも集まってもらい、清水さんと指させてもらえるまでになって感無量。開発者の皆の努力でここまで強くなったことを喜びたい」と笑みを見せた。清水女流王将は「(ソフトの)開発者の方々の思いが一手一手に表れていた。悔しいという思いもありますし、機会があればまた指してみたい」と語った。

コンピューター将棋ソフト「あから2010」との対局を終え、あいさつする清水市代女流王将(11日午後、東京都文京区)

日本将棋連盟は、公の場で将棋ソフトと許可なく対局することを棋士に禁じており、プロ棋士とコンピューターとの対局は2007年に渡辺明竜王が「ボナンザ」を破って以来。今回、清水女流王将と対局した「あから2010」は、ボナンザのほか「激指」「GPS将棋」「YSS」の4つのソフトが多数決で指し手を決めるシステム。渡辺竜王が下した際のボナンザより数段強くなっていた。