感謝を伝えたい「お礼状」 切手や便箋、細部に気配り
センスアップ
仕事で初めて会ったり、世話になったりした取引先に手書きの礼状を送るという人も多いだろう。どうしたら心に残る礼状になるだろうか。
ビジネスマナーに詳しい専門家がそろって助言するのは「機を逃さず、できるだけ早く出すこと」。マナーコンサルタントの西出ひろ子さんは、まずメールを送り、追って礼状も出す「二段構え」を勧める。
文面について西出さんは「会って話した時に気付いたことや気持ちを、率直に自分の言葉で書くことが大事」と強調する。「拝啓」「敬具」といった冒頭や結びに使う言葉、時候のあいさつなど基本を押さえるのも大切だが、本文まで文例集の丸写しでは気持ちが伝わらない。「受け取る相手がどう感じるか。距離感や人柄を見極めつつ、会話のなかで出たエピソードに触れるなどしてさりげなく自分なりの色を出したい」(ビジネスマナー講師の丸山ゆかりさん)
便箋や封筒など用具選びでもこだわりを演出できる。文具専門店の銀座・伊東屋(東京・中央)で便箋売り場を担当する増田百合さんは「便箋と封筒は対になっているものを。デザインは目上の相手に出す場合は無地を勧めるが、親しくなってきたら初夏は新緑など季節感を意識して」と話す。売り場にはアリが10匹並んで「ありがとう」を示すカードも。相手との親密度を考えて選ぼう。
筆記具は万年筆や筆ペンを使うのが原則。封筒を開いた時にほんのりと香るよう忍ばせる「文香」を使うのも印象的。様々な記念切手を買い置き、季節や場面で使い分けるのも気遣いを感じさせる。マナーデザイナーの岩下宣子さんは「文章から便箋選びまで礼状には普段の心がけがにじみ出てくる。日ごろの準備が気持ちを伝えることにつながる」と話す。(おわり)
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