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目指せ伊能忠敬 仲間と歩いてマッピング 手作り地図で防災力アップ

2014/7/2

 「マッピングパーティー」をご存じだろうか。みんなで街を歩き、建物や店、道路などの情報をインターネット上の白地図に書き込んで、自前の地図を作るイベントだ。町おこしや防災に役立つと、各地で注目を集めている。気分は、江戸時代に津々浦々を歩いて日本地図を完成させた伊能忠敬。目指せ、「四千万歩の男」である。
自動販売機の写真をスマートフォンからメールで送るマッピングパーティーの参加者(東京・調布)

 5月下旬の土曜日午後。東京都調布市の国領駅近くのビルから、男女15人が2~3人ずつ7つの班に分かれ、駅周辺に散っていった。手にはスマートフォン(スマホ)と白地図。地元の地域作り団体が主催した「調布マッピングパーティー」の参加者だ。

 この日のターゲットは自動販売機。担当エリアを歩き回り、自販機を見つけたらスマホで写真を撮り、主催本部にメールで送る。白地図にも位置を書き込み、「無線LANのアクセスポイントになっている」「太陽光パネルが設置されて停電時も動く」などの情報も記す。

 本部では受け取った情報を、パソコンでオープンストリートマップ(OSM)というネット上のデジタル白地図に反映する。写真には位置情報が付いているので、正確な場所を地図に落とせる。2時間ほどで約150台の自販機を書き込めた。

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 「地域の防災・減災を目指しています」と、主催者の柴田哲史さん(46)。無線LANや太陽光発電などの情報がついた自販機の地図があれば、大地震が起きた時に便利。今回が初めての開催で、今後、自動体外式除細動器(AED)や公衆トイレ、消火栓をマッピングしたいという。

 参加した大学生の田村菜欧さん(20)は「グーグルマップなどには自販機は載ってない。市民目線で地図ができていくことに感動した」と話す。自販機に住所が書かれていることも今回知った。「救急車を呼ぶ時に自販機で住所が伝えられる。次も参加したい」と意欲を見せる。

マッピングパーティーで作られた自動販売機の地図

 グーグルやヤフーの地図は、個人で参照するのはいいが、印刷してチラシなどに使うと著作権上の問題が生じる。国土地理院が持つ地図情報も、利用するには使用申請が必要で使い勝手が悪い。

 そこで誰でも自由に閲覧、編集、利用できる地図としてできたのがOSMだ。2004年に英国で生まれた。「マッパー」と呼ばれるボランティアが、全地球測位システム(GPS)機器や衛星写真を使って、白地図を埋めていった。この運動が08年に日本に持ち込まれ、IT技術者らがオープンストリートマップ・ファンデーション・ジャパン(OSMFJ)を設立。最初のマッピングパーティーを鎌倉で開いた。

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