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女性らしい視点、起業への生かし方

ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム in Tokyo 2013

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NIKKEI STYLE

 女性の起業について考える「ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム in Tokyo 2013」(主催=日本経済新聞社)が9月26日、都内でで開かれた。基調講演では、インドネシアの伝統工芸を生かした婦人靴の製造・販売で起業したリアンナ・グナワン氏が「新しいことをやるのはリスクがあるが、情熱を持っていれば達成できる」と強調。日本人の女性起業家らも参加して活発な議論が繰り広げられた。

3回目となる今回のフォーラムは、女性の視点に立った事業がテーマ。基調講演に続いて開かれたパネルディスカッションでは、グナワン氏、エムスクエア・ラボ社長の加藤百合子氏、スリール社長の堀江敦子氏が起業を決意した背景や事業に込める思いについて議論を交わした。司会は慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の石倉洋子氏。

司会(石倉氏) 組織を離れて起業した経緯は。

加藤氏 もともとは産業用ロボットを開発していた。2人目を出産したころから、工業の仕事をしていて母親として子どものために何ができるのか、という疑問がわいてきた。もともと目指していた農業には、安心・安全な食を届けるなど、母親としてやるべきことがたくさんある。農家が本当に困っていること、野菜を購買する方が困っていることをヒアリングし、ベジプロバイダーという事業を立ち上げた。

堀江氏 子どもが大好きで中学生のころから100人以上のベビーシッターを経験し、20歳頃には「肝っ玉母さん」と呼ばれるほどだった。子育てと仕事を両立したいと思ってIT(情報技術)企業に入ったが、ワーキングマザーに聞くと自分らしく働きながら子どもに対しても愛情を注ぐのはなかなか難しい環境なんだな、とショックを受けた。環境を変えるにはこれから子育て世代になる人たちも巻き込んでいかないといけない。そのためには私と同じように学生のころから子育てと仕事の両立をリアルに体験すれば意識が変わりアクションを起こす人が増えるのではないか。そう思って事業を始めた。

司会 社会の変化を見極め、起業につながった。

加藤氏 農業は需給のミスマッチが他の業界以上に大きくなっている。原因は情報と信頼の断絶。買う側が農家とうまくつながりを作れず輸入促進に向かっている。そのミスマッチを解消しようというのがベジプロバイダーだ。質、時、量、値の4つの情報をしっかり交換、流通しましょうというのが1つ。もう1つは信頼で、古めかしい商流だが人と人がしっかり顔を見合わせて取引する。農業は社会基盤。日本は雇用、健康、教育といった社会的な課題を抱えている。農業とリンクすることでその課題を解決することができるのではないか。

堀江氏 ワーク&ライフ・インターン事業は、大学生が共働き家庭に入りお子様をお預かりする。働くこと、家庭を築くことをリアルに学んでいくというインターンシップだ。学生にとってはキャリア教育になるし、家庭にとっては子育てサポートになる。さらにもっと長期的に考えると子供を産みたい、育てたいと思うことが少子化対策にもつながっていく。3つの課題を解決していくソーシャルビジネスだ。ただ子育てサポートをしているだけではない。子育てに当事者意識を持つ人を増やし、つなげることが役割だと考えている。

司会 今の世界がどうなっているかを考え、そこからビジネスプランを作らないといけないと思う人は多いが、必ずしもそうではないのではないか。

加藤氏 最初は模索ばかりで静岡県の事業を受けながら、農家が何に困っているのか、なぜこんなにもうからないのか、なぜ高齢化が進んだのか、ヒアリングしていただけだった。いろいろな事業者とも関わり合うようになり、はじめて農業は食を作っている基盤というだけでなく、生活そのものであると目の当たりにした。そして、これは何でも掛け合わせてくっけられるなと考えるようになった。

堀江氏 事業を始めた頃は「インターン」という名前はつけていなかった。漠然とした不安から仕事や子育てなどいろいろなチャンスを諦めて後戻りできない人たちをたくさん見てきたことで、未来の自分の人生を事前体験するというアイデアが根底にあった。単純に子どもを見ることだけでなく、これからの人生を学ぶものであるということで、あえてインターンといっている。

グナワン氏 当初は女性経営者になろうという計画はなかった。父親は私が幼い頃にガンで亡くなり、美容室を開いていた母親に女手1つで育てられた。とにかく食べていくのがやっとだったが、それから30年たって、食べるためにだけ生きていかなくてもいい、趣味を仕事にできると思った。今の使命はインドネシアの靴産業を再生することだと思っている。事業開始から3カ月で20足の注文が来たが、靴職人がお金を持って逃げてしまった。眠れない日々が続いたが、何とかほかの靴職人を見つけた。大変なことがあってもポジティブに考える。立ち向かって乗り越えれば、次のレベルに行ける。

司会 市場の可能性はどう見ていたのか。

グナワン氏 靴が大好きで集めるのが好き、というのが始まりだった。当時のインドネシアの靴を見ると、インドネシア産の材質から作られたものがなかった。伝統工芸をファッション性のあるものに生まれ変わらせることを最初から考えていたわけではないが、それを追求したことで新しいカテゴリーができた。

司会 次のチャレンジは。

グナワン氏 私のビジョンは明確だ。いかに拡大、スケールアップするか。靴産業を活性化するためには小さくてはダメ。大きくならなければならない。インドネシアを超えて発展したい。

堀江氏 市場は日本以外に米国や韓国など海外にもあると考えている。時代は変わっているにもかかわらず、働き方を見る機会も子育てについて教わる機会もない。地域にも頼る人がいないのに、サポートをしてもらうのはNGという意識がある。これはどの国にも当てはまる。10年後はスリールの仕組みが当たり前になっている状態を構築したい。マーケティングの勉強会や資格取得は会社の有休を使った。月に1回は6時に帰ってベビーシッターに行く代わり仕事の評価レベルは満たすと上司に宣言した。仕事に対する覚悟を見せることで時間を作った。起業する前に会社内のリソースの活用などを検討することをお勧めする。

加藤氏 地産地消とよく言われるが、農業と観光をくっつけると「地産来消」ができる。我々はワサビをラスベガスに出している。それほど日本食は世界に浸透している。日本の人口が増えないなかで消費を増やすにはどうすればいいか。来てもらうのが一番おいしくて正しい日本食を食べてもらえる。それは国内でも一緒。同じ食材でも各地で食べ方、味付けは違う。ベジプロバイダーの仕組みはどこの国でも使える。今後、日本では各都道府県に1組織になるよう増やしていきたいと考えている。ゆくゆくは各国に1組織くらいでき、日本の農家が持っている技術を伝えながら、各国で安定して新鮮な野菜が消費者の手に届くようにできれば、と考えている。

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