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園児を地震からどう守る 遊び感覚で防災教育 東日本大震災3年 暮らしを考える(中)

2014/3/4

東日本大震災を機に、防災体制の強化が求められている。中でも対策が難しいのが幼稚園や保育園だ。乳幼児は体力もなく適切に避難する判断力も十分に備わっていないため、安全確保は大人の対応に委ねられる部分が多い。どのようにして園児を守るのか。園や自治体の取り組みを追った。

「地震対策には力を入れていたが、津波への意識が薄かった」。静岡県沼津港の近くにある双葉幼稚園の横山政遵園長は、震災前の防災対策を振り返る。

■避難デッキ設置

日ごろの遊びに防災教育を取り入れている明化幼稚園の避難訓練では、5分足らずで全園児が園庭に集合した(東京都文京区)

静岡県では、昔から南海トラフ地震を想定した防災教育には力を入れており、住民にも浸透していた。同園も建物は耐震設計で、定期的に避難訓練を行っており、備えは万全のはずだった。それが「津波の被害を見ると防災体制を見直さざるを得なくなった」(横山園長)。保護者の不安も大きく、震災直後に新規入園のキャンセルが相次いだ。

同園は海から約800メートル。災害時の避難先である小学校までは3歳児だと10分ほどかかり、避難中に津波が来る可能性がある。横山園長は移転を考えたが、用地確保が難航。「近所に幼児が住んでいるのに園だけ引っ越していいのか」との思いもあり、とどまった。

安全確保のため、非常階段と避難デッキを2013年に設置。5分で全園児が屋上へ避難できるようにした。デッキは高さ8.4メートルで、南海トラフ地震時に押し寄せるとされる最大6メートル台の津波の高さを上回る。総工費は約3100万円。3分の1は国の補助だが、残りは園の負担だ。

防災マニュアルの改訂も進めている。当初はライフジャケットを装着してから階段を上っていたが、時間短縮のため、デッキで着けるように改めた。横山園長は「立地などの条件は園ごとに異なる。画一的なマニュアルに頼らず、各園が独自の対策を練る必要がある」と訴える。

避難訓練だけでなく、日ごろの遊びに防災を取り入れているのが明化幼稚園(東京・文京)だ。遊びは全園児一律ではなく、年齢に応じて内容を変えている。

3歳児クラスで行っているのが忍者修行だ。箱の中をくぐる、ケンケンと片足でバランスをとる、などの遊びで、基本的な体の動かし方を身につけさせる。

5歳児はより実践的だ。例えば、目印のマーカーを約80センチメートル間隔に置き、その間をジグザグに走るリレー。震災で物が散乱した地面を想定し、足元をよく見て素早く動く練習になる。

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